平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「べらぼう」 第5回「蔦に唐丸因果の蔓」~楽しいことを考えるのが、わっちらの流儀だからね

2025年02月03日 | 大河ドラマ・時代劇
 株を持たなければ版元になれない。
 蔦重(横浜流星)は方向修正する。
 鱗形屋の下で働き、暖簾分けをしてもらう戦略を採る。
 今までは短期で結果が出たが、今回は長期戦略だ。

 まあ、本編でも台詞で語られていましたが、
 史実では軽い本(浮世絵・黄表紙・黄双紙)を売る「地本問屋」になるには株は要らないみたいなんですけどね。
 硬い本(仏教書・儒学書・歴史書・医学書)を売る「書物問屋」になるには株は必要。
 その株は幕府から「営業権」として購入する。
 今で言うと許認可権。
 株をお上から購入するというのは近世的だが、株の発想は今でも相撲の部屋制度の中に生きている。
 近世は現代に近い社会なんですね。

 ちなみに
「地本問屋」が扱う本は、今で言うとライトノベル。絵師さんの存在も重要だ。
「書物問屋」が扱う本は、学術書・教科書。
「問屋」は、日販・東販という感じか?

 話が逸れてしまったが、蔦重のもうひとつの長期戦略は唐丸(渡邉斗翔)だ。
 蔦重は唐丸を当代一の絵師にすることを諦めていない。
 唐丸は必ず帰ってくると信じている。
 絵師になることを諦めていないと蔦重は確信している。

・じっくり腰を据えて目の前の課題に挑むこと。
・大きな夢を見るが、地に足の着いた行動をすること。
 蔦重はこれを学んだようだ。
 同時に「株仲間の失敗」「唐丸を追い詰めてしまったこと」で自分の未熟さも学んだようだ。
 蔦重の学びと歩みは止まらない。
 ……………………………………………………

 今回のもうひとつのキイワードは『世の中をひっくり返す』。

 田沼意次(渡辺謙)と平賀源内(安田顕)は「国を開けば世の中がひっくり返る」と考えている。
 国を開けば、各地の港で外国と商取引がおこなわれ、街ができて宿屋や店が生まれ、新しい商品を生み出し、船をつくり、海外に行く者も出て来ると考えている。
 確かに「世の中がひっくり返る壮大な構想」だ。
 これを実現するには幕府という重しを除けなければいけないのだけれど……。
 夢を見るのはタダだ。

 蔦重も、規模は意次たちよりは小さいが、「世の中がひっくり返る構想」を生みだした。
 唐丸を絵師として売り出す構想だ。
 春信ら人気の絵師の完コピ→「この絵師は誰なんだ?」と世間が注目した所でお披露目。
 これで世の中がひっくり返る!

 蔦重も源内も意次もこうした壮大な夢を持っていると楽しいだろうな。
 目の前の現実の苦労など何でもなくなる。

 花の井(小芝風花)が語っていたが、
「楽しいことを考えるのがわっちらの流儀」
 を彼らは体現している。

 源内が語っていた
「自由にわがままに生きるのだから苦労は仕方がない」
 も体現している。


※追記
 源内は秩父でもうひとつの構想を考え出した。
 秩父の鉱山事業→炭の製造事業→舟による運搬事業。
 蔦重同様、次に源内が何をやってくれるのか、楽しみだ。

※参照サイト
 地本問屋と書物問屋の違いとは?


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