平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「イカゲーム2」~資本主義と民主主義の暗喩。だから面白い!

2025年02月07日 | テレビドラマ(海外)
『イカゲーム2』を観た。
 今回、主人公のソン・ギフン (イ・ジョンジェ)は戦うカッコイイおっさんに。
 シーズン1ではダメ男だったのに、
 シーズン2ではイカゲームとこれを運営する組織を潰すために戦う男になった。

 とはいえ、なかなか上手くいかないのが現実。
「こんなゲームをやめて、家に帰りましょう」と言っても、
 莫大な借金を抱えた参加者たちは、
「あともう一勝負!」
「自分だけは負けない!」
「自分だけは大丈夫!」
「こんなはしたガネで帰るわけにはいかない」
 とゲームを続け、泥沼にはまっていく。

 結果、ギフンは志を同じくする仲間と共に銃を持って戦い始めるのだが……。
 …………………………………………………………

『イカゲーム』が面白いのは、これが現代社会の縮図・暗喩になっていることだ。

 まずは資本主義。
 賞金を奪い合うために参加者は争う。
 参加者が死んで脱落すれば、その分、賞金の配分が多くなる。
 他人を蹴落とせば、その分、多くのお金をもらえる。
 同じパイの奪い合い。
 これでは足りない。もっと欲しい、という欲望の増幅。
 まさに資本主義だ。

 ゲームには個人戦があり、団体戦がある。
 個人戦では個人の能力が試される。
 他者と協力し合う団体戦は、会社組織か?

 負ければ命を奪われるゲームをしているのに参加者はゲームを続けたがる。
 なぜ続けるかと言えば、現実社会に戻れば地獄のような現実が待っているからだ。
 地獄に戻るくらいなら、ゲーム会場で一攫千金の夢を見た方が楽しい。
 現実社会は地獄のように過酷。
 競争があり格差がある。
 負け組になると悲惨。
 資本主義を剥き出しにすると、このような現実が見えて来る。
 
 ふたつめは民主主義。
 ひとつのゲームが終わると、参加者は「ゲームを続けるか」「否か」の投票をすることができる。
 結果は多数決で決められる。
 イカゲーム主催者は「このゲームは民主的なゲームだ」としばしば語るが、まさにそのとおり。
 投票と多数決ですべてが決まるイカゲームは民主主義社会の象徴なのだ。

 同時にイカゲームは民主主義の弱点を見せつける。
 多数決で負けた者は勝った者の意思決定に従わなくてはならない。
 自分はゲームを続けたくないのに、多数決で決まれば続けなければならない。
 まあ、本来の民主主義は多数決は絶対ではなく、
「少数者の意見も尊重する」という概念があるんですけどね。
 ただ多数決で大きな流れが決定するというのは確か。

 以上、述べたように、
『イカゲーム』の面白さは「資本主義」と「民主主義」を体現していることにある。
 さて、ギフンたちは銃を取って体制を打倒する「革命行動」をおこなったわけだが、
 その後の展開はパート3の最終章へ。
 今夏に公開されるパート3が楽しみだ。


※関連動画
「イカゲーム」シーズン2予告編(YouTube)

※追記
 参加番号222 キム・ジュニ役のチョ・ユリさんがかわいい!
 調べると、元IZ*ONEのメンバーだった!


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