漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0198

2020-05-15 19:34:39 | 古今和歌集

あきはぎも いろづきぬれば きりぎりす わがねぬごとや よるはかなしき

秋萩も 色づきぬれば きりぎりす わが寝ぬごとや 夜はかなしき

 

よみ人知らず

 

 秋萩も色づいてきたので、私が寝られずにいるのと同じようにこおろぎも夜が悲しいのだろうか。

 「ごと」は「ごとし」の語幹。萩の葉が色づくことに秋の深まりを感じて物悲しく思う心情を、静かな夜に鳴くこおろぎに寄せて詠んでいます。