ひぐらしの なくやまざとの ゆふぐれは かぜよりほかに とふひともなし
ひぐらしの 鳴く山里の 夕暮れは 風よりほかに とふ人もなし
よみ人知らず
ひぐらしが鳴く山里の夕暮れは、風よりほかに訪ねる人もいない。
非常にシンプルで歌意もわかりやすいですね。これをつまらないと見るか、秋の寂しさを心情のままに詠んだ奥深い歌と見るか・・・ 人里離れた山中に一人あって、秋の冷たい風の音だけが耳に入る情景を思い浮かべてみると、その寂しい思いが、シンプルな分だけ余計ダイレクトに伝わってくる歌のように私には感じられました。