かくばかり をしとおもふよを いたづらに ねてあかすらむ ひとさへぞうき
かくばかり 惜しと思ふ夜を いたづらに 寝て明かすらむ 人さへぞ憂き
凡河内躬恒
これほどまでに明けてしまうのが惜しまれる秋の夜には、夜が明けてしまうことに加えて、無駄に寝てしまって夜を明かす人までが嫌に思える。
秋の夜が明けてしまうのが惜しい。そう思うと、この素晴らしい夜を満喫することなく寝入ってしまっている人までが疎ましく思えてくるという心情です。歌に興じている座にあって、更けるにしたがって居眠りをし始める人もいたのでしょうか。そんな想像をすると、無粋に居眠りをしている人をからかった歌のようにも思えますね。 笑