漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0193

2020-05-10 19:27:19 | 古今和歌集

つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど

月見れば ちぢにものこそ かなしけれ わが身一つの 秋にはあらねど

 

大江千里

 

 月を見ると、心が乱れに乱れて悲しくなる。私一人にやって来た秋でもないのに。

 「ちぢ」は「千々」で、数が多いさまや程度がはなはだしいさまを表す語。また第四句の「一つ」と対になっています。百人一首(第23番)にも採録された名歌ですね。