漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0208

2020-05-25 19:19:10 | 古今和歌集

わがかどに いなおほせどりの なくなへに けさふくかぜに かりはきにけり

わが門に いなおほせ鳥の 鳴くなへに けさ吹く風に 雁は来にけり

 

よみ人知らず

 

 わが家の門前でいなおおせ鳥が鳴くとすぐに、今朝吹く風にのって雁がやってきた。

 「いなおほせどり」は秋の田にいる鳥とされ、0028 の「ももちどり」、0029 の「よぶこどり」とともに「古今三鳥」と呼ばれます。ただ、いずれも具体的にどの鳥のことを指すのかはわかっていないようです。収穫の時期を迎えた田でいなおおせ鳥が鳴き、風に乗るかのように雁がやって来るという秋の風景です。