いろかはる あきのきくをば ひととせに ふたたびにほふ はなとこそみれ
色かはる 秋の菊をば ひととせに ふたたびにほふ 花とこそ見れ
よみ人知らず
色が変わる秋の菊を、色褪せてしまうというのではなく、一年に二度咲き匂う花と見よう。
白から薄紅、薄紫へと色が変わる菊。普通、花の色の変化と言えば色褪せて美しさが減じるさまが思い描かれますが、白菊は色の変化もまた趣があることを詠んだ歌です。
修辞の観点では、「ひととせ」と「ふたたび」の対比。0131 では「一年に二度はない」という表現で用いられています。「ひととせに ふたたび」という語調も良いですね。^^
こゑたえず なけやうぐひす ひととせに ふたたびとだに くべきはるかは
声たえず 鳴けや鶯 ひととせに ふたたびとだに 来べき春かは
藤原興風