あきはきぬ もみぢはやどに ふりしきぬ みちふみわけて とふひとはなし
秋は来ぬ 紅葉は宿に 降りしきぬ 道踏みわけて 訪ふひとはなし
よみ人知らず
秋は来た。紅葉は宿の庭に降り敷いた。それを踏み分けて訪れる者はいない。
「秋は」「紅葉は」「訪ふひとは」と、「~は」を重ねるのは、たたみかけるように秋の寂しさを強調する主旨でしょうか。訪れて来る人がいないのは紅葉が道を覆っているためばかりではないでしょう。降りしきる落ち葉の情景が、ひとり身の寂しさを一層つのらせている切ない思いです。
0322 の歌と良く似ていますね。
わがやどは ゆきふりしきて みちもなし ふみわけてとふ ひとしなければ
わが宿は 雪ふりしきて 道もなし 踏みわけてとふ 人しなければ
よみ人知らず