たつたがは もみぢみだれて ながるめり わたらばにしき なかやたえなむ
竜田川 紅葉乱れて 流るめり 渡らば錦 中や絶えなむ
よみ人知らず
この歌は、ある人、ならのみかどの御歌なりとなむ申す
竜田川には一面に散り乱れた紅葉が流れていることだろう。そこを渡れば、紅葉でできた錦が途切れてしまうだろうか。
「ならのみかど」は第51代平城天皇。この歌と同じく、平城天皇の作との説もあるという歌が 0222 に、天皇自身の御製とされる歌が 0090 に採録されています。
そして、竜田川と言えば紅葉。このあと 0294 に登場する在原業平の歌(百人一首 第17番)は余りにも有名ですね。
ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは
ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 韓紅に 水くくるとは
在原業平