漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0291

2020-08-16 19:26:04 | 古今和歌集

しものたて つゆのぬきこそ よわからし やまのにしきの おればかつちる

霜のたて 露のぬきこそ 弱からし 山の錦の 織ればかつ散る

 

藤原関雄

 

 霜の縦糸、露の横糸が弱いかららしい。山の紅葉の錦が織るそばから散っていくのは。

 霜や露によって色づくとされる紅葉を、さらに霜の横糸と露の縦糸で織られた錦と見立てた。その山の錦たる紅葉が色づくそばから散ってしまうのは、織りなす横糸縦糸が弱いからなのだろうという、見立ての中での想像。