漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0289

2020-08-14 19:34:38 | 古今和歌集

あきのつき やまべさやかに てらせるは おつるもみぢの かずをみよとか

秋の月 山べさやかに 照らせるは 落つる紅葉の 数を見よとか

 

よみ人知らず

 

 秋の月が山のあたりを明るく照らしているのは、落ちる紅葉の葉の数を数えろとでもいうのだろうか。

 「さやかに」は形容動詞「さやかなり」の連用形。視覚的または聴覚的にはっきりくっきりしている様子を表します。月に照らされてその数がわかるという描写は、0191 にもありました。こちらは、空を飛ぶ雁の数がわかる、という歌ですね。

 

しらくもに はねうちかはし とぶかりの かずさへみゆる あきのよのつき

白雲に 羽うちかはし 飛ぶ雁の 数さへ見ゆる 秋の夜の月

 

よみ人知らず