あきのつき やまべさやかに てらせるは おつるもみぢの かずをみよとか
秋の月 山べさやかに 照らせるは 落つる紅葉の 数を見よとか
よみ人知らず
秋の月が山のあたりを明るく照らしているのは、落ちる紅葉の葉の数を数えろとでもいうのだろうか。
「さやかに」は形容動詞「さやかなり」の連用形。視覚的または聴覚的にはっきりくっきりしている様子を表します。月に照らされてその数がわかるという描写は、0191 にもありました。こちらは、空を飛ぶ雁の数がわかる、という歌ですね。
しらくもに はねうちかはし とぶかりの かずさへみゆる あきのよのつき
白雲に 羽うちかはし 飛ぶ雁の 数さへ見ゆる 秋の夜の月
よみ人知らず