たつたひめ たむくるかみの あればこそ あきのこのはの ぬさとちるらめ
竜田姫 たむくる神の あればこそ 秋の木の葉の ぬさと散るらめ
兼覧王
竜田姫が手向けをする神があるからこそ、秋の木の葉が幣(ぬさ)となって散っているのだろう。
「ぬさ」は神に祈るときのささげ物。竜田姫自体が神ですが、その神様がさらに手向けをする道の神がいらっしゃるので、竜田姫がその神へのささげ物として秋の木の葉を散らしているのだろうという想像。
兼覧王(かねみのおほきみ)は第55代文徳天皇の皇孫。0237 に続いて二首目の登場ですね。