古里の花を見る
あだなれど さくらのみこそ ふるさとの むかしながらの ものにはありけれ
あだなれど 桜のみこそ ふるさとの 昔ながらの ものはありけれ
もといたところの花を見る
すぐに散ってしまうのではあるけれども、桜の花だけは古里に昔のままに咲いているのであるよ。
昔と変わらず美しく咲き誇る桜と、荒廃してしまった地域との対比。325 などと同じ構想ですね。こうした歌では「古里」は多く奈良の都が念頭に置かれているようです。
この歌は、拾遺和歌集(巻第一「春」 第48番)に入集しています。