漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0805

2022-01-12 19:07:42 | 古今和歌集

あはれとも うしともものを おもふとき などかなみだの いとなかるらむ

あはれとも うしともものを 思ふ時 などか涙の いとなかるらむ

 

よみ人知らず

 

 いとおしいと思ったり辛いと思ったりする時、どうして涙はいとまなく流れるのでしょう。

 「なかる」は「なし」の連体形と「流る」の掛詞。「いと」は「暇(いとま)」の意と「大変」「はななだしく」の意の副詞の両義でしょうか。「あはれ」・「うし」という反対の感情に心が揺れつつ、涙はどちらの思いの時も変わらずに流れるという詠歌ですね。



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