漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0804

2022-01-11 19:47:14 | 古今和歌集

はつかりの なきこそわたれ よのなかの ひとのこころの あきしうければ

初雁の なきこそわたれ 世の中の 人の心の 秋しうければ

 

紀貫之

 

 初雁が秋になると鳴きながら空を渡って行くように、私もずっと泣き続けている。愛しい人の心が私に飽きてしまったのがつらいので。

 「なき」が「鳴き」と「泣き」の掛詞で、「なきわたる」が雁が鳴きながら空を渡る意と作者が泣き続ける意の両義となっています。「あき」は「秋」と「飽き」の両義ですね。
 初雁を詠み込んだ歌はいくつか登場しますが、初雁と同じように私も「ないてわたる」というフレーズは 0735 と類似します。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。