上野の東京都美術館で開かれているフェルメール展に行って来ました。
今日は少し出足が遅くなってしまったので覚悟はしていたのですが、予想通り、会場は結構混んでいて、時間がなかったこともあり、今日のところはフェルメールしか見ることが出来ませんでした。
それにしても、日本初公開の5点を含む7点のフェルメールを一度に見れるとは、何と幸せなことでしょう。この時期、この場所に居ることがとてもラッキーに思える、そんなひと時でした。
今回も図録は買わず、絵葉書を数枚買っただけですが、絵葉書をさらにデジカメで写真に撮ったところで、フェルメールのあの陰影に富んだ静謐な画風が再現出来るはずもなく、隔靴掻痒、もどかしさばかりが募ります。やはりフェルメールは実物を見なければと、改めて思いました。
(フェルメール「小路」1658~60年頃)
2点しか現存しない風景画のうちの1点だそうです。小さな作品ですが、かっちりとした構図のなかに奥行きが感じられて、とても味わい深い絵でした。
(フェルメール「リュートを調弦する女」1664年頃)
(フェルメール「ヴァージナルの前に座る若い女」1670年頃)
先日コローの女性像を見て、その肌の柔らかな風合いに感動したばかりですが、フェルメールが描く女性は、どこかうつろで、それでいてこちらの視線を引き付ける眼差しをしています。画面の片側からほのかに当たる光の加減は、これぞフェルメールという感じです。
(フェルメール「手紙を書く婦人と召使い」1670年頃)
なかでも私が一番気に入ったのがこちら。もともとはウィーン美術史美術館の「絵画芸術」が来る予定だったのが急遽取りやめになり、代わりにやって来たのがこの絵です。左側の窓から差し込む柔らかな光、手紙に没頭する婦人とそれを半ば退屈そうに待つ召使いとの対比、縦と横の線を効果的に使った構図。もう何も言うことがありません。(この絵の絵葉書が売っていなかったのがとても残念です。)
展示は他にもファブリティウスやピーテル・デ・ホーホなど、デルフトゆかりの画家の作品が並んでいたのですが、残念ながら今日は時間がなく素通りしてしまったので、会期中にまたいつかもう一度行ってみたいと思っています。
フェルメール展
2008年8月2日~12月14日
東京都美術館
上野はさすがに混み方が半端ではありませんでした。
会期が長いので、どこかで平日、半日でも休みを取って
最低でももう1回は観に行きたいと思っています。
蛇足ながら、上野って駅前の生活感と西洋美術館から東京都美術館、東京芸大へと続く道のコントラストというか、ギャップがすごい場所と思います。
平日の夕方でも、会場はやはり混んでいましたか?