回想

カメラの話をしていると、昔のことが懐かしくなってきました。

写真は私の愛機、ミノルタのXDです。20年以上前に買ったものですが、今でもずっと現役です。デジカメに押されてさすがに最近は使う機会が少なくなってきましたが、それでもどうしても残したい写真を撮る時には今でもXDの出番です。

中学・高校時代、天文少年だった私は、友人たちと当時色々出ていた雑誌のカメラやレンズ比較レポートを読みまわし、それぞれに夢を膨らませていました。そして皆それぞれお年玉をためたり、当時は禁止されていたバイトをやったりして、自分だけの愛機を手に入れたものでした。

私がXDに決めた理由は、B（バルブ）が機械式だったことと、標準～広角レンズの周辺画質が格段に良かったことです。今にして思えば何とも偏った判断基準だと思いますが、当時は星の写真を撮ることに頭がいっぱいで、昼間普通の写真を撮る機能についてはあまり重要視していませんでした。

当時の友人たちも同じようにお金をためて、キャノンならAE-1かA-1、オリンパスならOM-2かOM-3、ニコンはせいぜいFM-2、そして忘れてはならないコニカのFS-1、この辺りを手に入れたものです。F3（ニコン）やF-1（キャノン）はとても手が出ず、私のまわりには持っている奴は居ませんでした。

私のように星空を撮る奴、電車を撮る奴、風景を撮る奴、古寺巡りをする奴、それぞれに自分のテリトリーを徘徊する一方で、放課後に写真部の部室に入り浸り、ああでもない、こうでもないとカメラ談義に花を咲かせたものです。時には愛機を交換し合って写真を撮りに行ったりもしましたので、今もそれぞれのレリーズ音やフィルムを巻き上げる感触は手と耳に残っているような気がします。

20年の間に当然生産は中止になり、メンテも難しくなってきましたが、買い増した交換レンズと共に、これからも大事にしていきたいと思っています。