大学に入学してしばらくすると、先生ごとにお気に入り(必ずしも専攻や専門という訳ではない)の作家が見えてくるものでしたが、このフォースターも、ゼミは違えどその授業が大好きだった先生がご執心。卒業後20余年を経て初めて読む不肖の教え子を許し給え・・・
フォースター(Edward Morgan Forster)は1879年ロンドンの生まれ。ディケンズが亡くなったのが1870年ですので、華やかなりしヴィクトリア朝のちょうど終焉。良くも悪くもその道徳観や価値観がまだまだ色濃いこの時期、このような小説がどのように受け入れられたのかとても興味深いです。
冒頭から抑えた筆致が続きますが、それがゆえに終盤のスピード感が強調されます。色恋のドタバタは置いておくとして、こういう表現はさすが。
"Life is a public performance on the violin, in which you must learn the instrument as you go along."
ペーパーバックで200頁。本は薄いですが、内容は骨太。小説を読んだ感たっぷりです。
E. M. Forster,
A Room with a View
(Penguin Classics)
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