粋な計らい

先日、１通のメールを頂きました。

知り合いのとあるバーテンダーさんからで、ちょっとしたプレゼントの用意が出来たので、時間がある時に寄って下さい、とのこと。12月に入って公私ともに少しバタついていたのですが、先週の金曜日は何とか定時であがって、帰り道、お店に寄って来ました。

カウンターに座って挨拶をし、わくわくしながら待っていると、そっと差し出される小箱がひとつ。



右の隅に何やら見覚えのある書体で文字が。



ウィスキーを飲む方ならお分かり頂けるでしょうか。サントリーのシングルモルト、「山崎」のラベルに書かれてあるのと同じロゴです。中身はこちら。



何だかお分かり頂けますか？

先端のキャップを外すとこの通り。



実はこれ、印鑑なのです。「山崎」を熟成させるのに使用した樹齢百年以上のオーク樽から切り出して、印鑑の軸にしています。

今年の夏か秋口だったでしょうか、サントリーが扱うシングルモルト（＋そのバーお薦めのシングルモルト）を何種類か飲んでスタンプを集めると、もれなくこの印鑑が貰えるというキャンペーンがありました。実はそのキャンペーンは私も知っていて、それをやるならこの店だとバーテンダーさんに話したところ、「自分の店ではそのキャンペーンに参加していません」とのこと。ならば仕方ないとその場は諦め、それで一旦は忘れてしまっていたのですが、どうやらそのバーテンダーさんがそれを覚えていて下さり、飲んでもいない私のために特別に誂えて下さったのでした。

オーク樽から切り出した軸はしっとりと手に馴染みます。家族に見せると速攻で没収されてしまいそうになったので、しっかりと自分の道具部屋に持ち込んで、がらくたが並んでいる机の上に置き場を作りました。恐らく（勿体なくて）実際に使うことは殆どないとは思いますが、純粋にＭｏｎｏとして魅力があります。サントリーもなかなかやるな、という感じです。

この印鑑を眺めながらカウンターで頂いたのは勿論、「山崎」のハイボール。ソーダで割った後、仕上げに原液をフロートさせるスタイルです。少し苦みの混じった味わいで、それがこの、いま手にしているのと同じオーク樽で熟成されたと思えば、心なしか「山崎」がとても身近なものに思えます。

こういう時は長居は禁物。ちょうど女性一人のお客さんが見えられたので、バーテンダーさんの手が空いた頃合いを見計らってお暇してきました。

来週からは仕事関係の忘年会が続くこともあって、一人でゆっくりバーに行けるのは年内はこれで最後でしょう。よいタイミングで素敵なプレゼントを頂きました。Ｔさん、ありがとうございました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。