エドマンド・クリスピンの Buried for Pleasure(1948年)読了(邦題『お楽しみの埋葬』)。
オックスフォード大学で教鞭をとりつつ素人探偵としても名高いフェン教授。どういう風の吹き回しか、このほど下院議員に立候補することを思い立ち、遊説のために選挙区の農村にやってきた。
宿を決めてそこに出入りする人たちを見ていると、いずれも個性的な面々ばかり。そのなかに、どうもどこかで見たことがある男がいると思ったら旧知の警部で、とある事件の捜査で名前や身分を伏せて潜入中だった。
どうやら解決の糸口をつかんだようで、それをフェン教授に伝えてお互い協力することを約した直後、その警部が何者かに殺されてしまう。しかもその場所は、深夜フェン教授と落ち合うことになっていた村の外れの小屋のなか。当人とフェン教授以外、そこで落ち合うことを知る者はいないはずなのに、一体誰が、そして何のために・・・?
前作(『消えた玩具屋』)でもそうだったが、登場人物や会話がなかなか個性的でユーモアたっぷり。しかも今回はSFというかオカルトというか、でもちょっと安っぽくて笑いそうな設定があちこちにあって、作家自身もそれをそれと分かって楽しんでいる風でもある。こういうところがこのクリスピンの個性なのだろう。
エドマンド・クリスピン、気が済んだので、次は他の作家行きます。
Edmund Crispin,
Buried for Pleasure
(Kindle)
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