銀閣寺道の交差点からタクシーに乗り、降り出した雨のなかを河原町今出川へ。
交差点を少し上がったところにある「出町ふたば」は、言わずと知れた豆餅の店。
私を含め表に何重にも並んでいるのはほぼみな観光客なのだろう、地元の人は事前に電話で注文してその時間にさっと取りに来る由。
えんどう豆を混ぜた餅のなかにこし餡。
受け取る時にお店の方に「今日中にお召し上がりください」と言われたが、何てったって23年分ですからね、ひと晩で6個全て美味しくいただきましたよ
さて、出町から今出川通を西へ。傘をさしながらすれ違う時に傘をちょっと横へ傾けるのを「傘かしげ」と言うそうだが、あまりにも人が多くいくら傾げても傘が喧嘩しまくるので、勝手知ったる女子大の敷地内を横断。
相国寺を右に見て道を渡れば、懐かしい我が母校。
知らない間にあちこち新しい校舎が出来ている。
学生時代、この今出川キャンパスの学食は慢性的に席不足だったのだが、新しい校舎に入ってみるとそこはまるでホテルと見紛う吹き抜けやカフェテリア。
思わずどこかに落書きしたろかと思ったが、警備員さんと目が合ってしまい、にこやかに挨拶して門を出る。
今出川から地下鉄に乗り、北大路で下車。
そのまま少し北に上がり、住宅街のなかにある「酒器 今宵堂」へ。
以前池袋にある日本酒バー「希紡庵」でこちらの酒器でいただく機会があり、その柔らかで暖かい作りにすっかり魅了された。
そこは北山の閑静な住宅街にある町家。平日はご夫婦で制作、土日はお店を開けて、私たちのように訪れる人をもてなしてくれる。
未来の看板娘ほろちゃんを抱っこさせてもらいながら、酒器の表情そのままの柔らかな笑顔のご夫婦とあれこれお話をする。お願いした酒器が出来上がるのは半年後。
次回また京都に来た時、大きくなったほろちゃんに会いに来よう。
今宵堂を出て川沿いを北山通に出て北山大橋を渡り、半木(なからぎ)の道を少しだけ歩く。相変わらずここは時間がゆっくり流れている。
北山通に戻り、右手に植物園を見ながら東へ。
私たちが京都に居た頃は地下鉄と言えば烏丸線のみで、しかも北は北大路が終点。今はそこからさらに北山や松ヶ崎、そして岩倉まで繋がっている。学生時代、岩倉と言えば果てしなく辺境の地だったのになぁ・・・。
色々と今風の店が出来ていると聞いていた北山通だが、この日は日曜日だというのに意外に閑散としている。
そんな気がするのは、東京の超過密地帯に目が慣れてしまっているからか・・・?
北山から地下鉄に乗り、四条へ。
四条烏丸からアーケードの下を東に歩き、大丸を越えたところ、高倉通を北上。
ご存じ、錦市場。
京都に居る時は「錦市場」とか「錦小路」とは言わずただ「錦」と言っていた気がする。
この時はまた雨が降り出したこともあるのかも知れないが、まぁ人の多いこと多いこと。ただでさえ狭い通路を、二重三重に人が行き交う。
しかも、誰が流行らせたのか、串に刺した食べ物やシュークリーム?のようなものを食べながら歩く人が多く、前の人にぶつかったり小さな子供さんが転んだら危ないのになぁ・・・などと余計な心配をしながら、それでも懐かしい店の軒先を覗いてまわる。
漬物の「打田」で蕪や大根、壬生菜の漬物を購い、以前はなかったお土産物屋さんでお菓子を買う。
・・・と、もう少しで寺町というところで、ふと町家風のカフェを発見。
もとは何かの問屋さんだったのだろう、
町家をそっくりそのまま使い、洒落たカフェになっている。その名も「omo cafe」。
間口の何倍も奥行がある店内は、手前がカフェ、中ほどにオープンキッチンとカウンター、そして奥にはテーブル席。二階にも席があるらしい。
店内はそこそこ混んでいて、私たち二人はキッチン前のカウンターに座り、カミさんは京番茶のロールケーキと抹茶ラテ、
私は昨日に続きまたぜんざいを、ドリップしたての珈琲と一緒に。
確かどこかに陶芸家のギャラリーも兼ねて、とか書いてあった気がするが、ご覧の通り器がどれも個性的。お店の雰囲気と言いお菓子や飲み物のクオリティと言い、前日行った三条京阪の「芋処CHAIMON」とともに間違いなくオススメできるカフェ。
その後また四条通を烏丸まで歩き、地下鉄に乗って京都駅へ。地下のお土産物屋さんで大量のお土産を仕入れ、一旦ホテルに戻ったのが5時半頃。
この日の夜は、ホテルとともにここだけは事前に予約しておいた割烹へ行く。
ホテルで少し休んだ後、雨のなかタクシーに乗り、祇園へ。
そこはまさにこの時期の京都でしか味わえない、素晴らしい世界。
次回はその様子を改めて。
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