知り合いからチケットを貰って、紀尾井ホールに行って来ました。
紀尾井ホールがクラシックの若手演奏家を招いて開いている「ニュー・アーティスト・シリーズ」というコンサートで、今日の出演はヴァイオリンの岡崎慶輔さん。2005年のミュンヘン国際音楽コンクールの覇者で、日本人としては21年ぶりの快挙だとか。プロフィールを見れば、もう立派な中堅演奏家です。
プログラムは、モーツァルト、ブラームス、ベートーヴェンのソナタを1曲ずつという、まるでヴァイオリンの四つ相撲。
○モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ ト長調 K301(293a)
○ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 作品108
○ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 作品47「クロイツェル」
どれも一度は耳にしたことのある曲でしたが、今日は2番目のブラームスがとても良かったです。私はこれまで多分FMやテレビで何度かこの曲を聴いていますが、生で聴くのは初めてでした。曲は、内向的で情熱的、ダイナミックかつドラマティック。それが今日のヴァイオリンの音色や抑揚、いや恐らくこの演奏家の弾き方そのものによく合っていると感じました。おかげでこの曲がこんなにもいい曲だったのだと改めて認識しました。
後半はこれまた有名なベートーヴェンでしたが、ブラームスに比べると神経質なその曲想が少し表層を滑っていて、終楽章などはまるでスーパーカーが疾走するような感じでした。逆に、中間の緩徐楽章、変奏曲の歌い方の上手さが光りました。
という訳で、今晩は私にとってはブラームスの日でありまして、家に帰って早速ブラームスのソナタ全集のCDを注文したところです。これを機会に3曲ともじっくり聴いてみようと思っています。
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