Year In, Year Out ~ 魚花日記

ロッドビルドや釣りに関する話題を中心に。クラシック音楽や本、美術館巡りに日本酒も。

テネシー・ウィリアムズ/The Glass Menagerie (邦題 『ガラスの動物園』)

2013年07月18日 | 

先日『欲望という名の電車』を読んで、短いながらもその密度の濃さに圧倒されたばかりのテネシー・ウィリアムズ、続けてもう一冊。

タイトルの menagerie は元はフランス語で、登場人物の母親が zoo と呼ぶかわりに気取って付けたもの(邦題『ガラスの動物園』)。

どこにも行きようのない、逃れようのない檻のなかに閉じ込められた動物たち。・・・と同様の、この家族。"all that we have to cling to is --- each other."

現実という事実からは決して逃れようがないのに、いくら "Face facts!" と言われても自らの想像と幻影のなかに逃げ込むばかり。そんな家族に、最後の最後で一瞬灯ったと見えた希望の光・・・

圧倒的な結末。幾重にも連なるアイロニー。前作同様、明らかにノックアウトを食らった感じ。

Tennessee Williams,
The Glass Menagerie
(New Directions)

コメント    この記事についてブログを書く
« やんも/つぼ鯛柚香焼 (丸の... | トップ | 京橋屋カレー/ときえカレー ... »

コメントを投稿