先日『欲望という名の電車』を読んで、短いながらもその密度の濃さに圧倒されたばかりのテネシー・ウィリアムズ、続けてもう一冊。
タイトルの menagerie は元はフランス語で、登場人物の母親が zoo と呼ぶかわりに気取って付けたもの(邦題『ガラスの動物園』)。
どこにも行きようのない、逃れようのない檻のなかに閉じ込められた動物たち。・・・と同様の、この家族。"all that we have to cling to is --- each other."
現実という事実からは決して逃れようがないのに、いくら "Face facts!" と言われても自らの想像と幻影のなかに逃げ込むばかり。そんな家族に、最後の最後で一瞬灯ったと見えた希望の光・・・
圧倒的な結末。幾重にも連なるアイロニー。前作同様、明らかにノックアウトを食らった感じ。
Tennessee Williams,
The Glass Menagerie
(New Directions)
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