Year In, Year Out ~ 魚花日記

ロッドビルドや釣りに関する話題を中心に。クラシック音楽や本、美術館巡りに日本酒も。

ルノワール展 (国立新美術館)

2010年02月16日 | 美術・芸術

六本木の国立新美術館で開催中のルノワール展に行ってきました。

ルノワールは、これまで色々な美術展で単発で観たことはありますが、これだけ纏まって観るのは初めてです。若い頃から晩年まで、その関心と画風の変化が良く分かる、面白い展示でした。

まず印象に残ったのは、これまであまり眼にすることのなかった静物画。ルノワール(1841年~1919年)は13歳で磁器の絵付け職人の見習いになったそうですが、そうした下地が存分に感じられる作品です。


(ルノワール「花瓶の花」1866年頃、ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵)

これが晩年になると、緻密な、というよりも流麗な、大胆なタッチが出てきます。


(ルノワール「薔薇」1910年、MOA美術館蔵)

以前ご紹介した安井曾太郎の「薔薇」をどこか連想させる、と言ったら順序があべこべですが、この絵を観ていると何となくそんな気がしました。

そして、私にとってルノワールと言えば、人物画。素人と言われようがミーハーと言われようが、その優美な女性像は格別です。


(ルノワール「アンリオ夫人」1876年頃、ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵)


(ルノワール「団扇を持つ若い女」1879-1880年頃、クラーク美術館蔵)


(ルノワール「ブージヴァルのダンス」1883年、ボストン美術館蔵)

実は今回、自分の中でひとつテーマにしていることがありました。それはルノワールの裸婦像です。

ルノワールの裸婦像は、普段からブリヂストン美術館で何度も観ていて、それが今回も展示されているのですが、不勉強を承知で言えば、個人的にはそのモコモコしたオレンジの裸婦像がどうもグロテスクに見えて、その意味や良さがよく分かりませんでした。結論から言えば、今回他の裸婦像と並べてじっくり観たにも関わらず、その良さはまだ私の理解を越えています。この点については引き続きルノワールを観る際の課題になりそうです。

ルノワール-伝統と革新
国立新美術館
2010年1月20日~4月5日

(巡回)
2010年4月17日~6月27日
国立国際美術館(大阪・中之島)

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2 コメント

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ゆっくり鑑賞出来ましたか (山本)
2010-02-17 21:58:02
 とうとう、ルノアールが登場ですね。駅の美しいポスターを横目にメトロの人混みと戦っています。
 平日はさすがに、ゆっくりと鑑賞出来ましたでしょうか。フェルメール展で休日の人出におそれをなして、逃げ帰った苦い記憶があります。
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山本さん (魚花)
2010-02-18 21:21:52
私が行ったのは金曜日の夜7時頃ですが、
会場はとても空いていて、閉館の8時まで
ゆっくりのんびり観て回ることが出来ました。

特に上野は、なかなか休日には行きたい(行ける)
とは思いません(笑)行く時は気合を入れて朝一番で
行くことが多いです。
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