ジョン・ディクスン・カーの The Mad Hatter Mystery(1933年)読了(邦題『帽子収集狂事件(帽子蒐集狂事件)』)。
ある霧の深い日、ロンドン塔の逆賊門の石段で、胸に石弓の矢が刺さった男の死体が発見される。男の服装はゴルフ服なのだが、頭にはなぜかシルクハットをかぶっている。折しもロンドンの街中で、帽子が盗まれる事件が相次いでいた。事件との関連は・・・?
江戸川乱歩が激賞したカー初期の代表作。盟友ハドレイ警視とともに捜査に当たるギデオン・フェル博士。その緻密な推理と論理の組み立ては、なるほど見事と言う他ない。
途中早い段階で犯人が絞り込まれるのだが、そこからの展開と最後のオチは、エラリー・クイーンの『Yの悲劇』の結末と並び、個人的には絶品中の絶品。
ジョン・ディクスン・カー、もう1作行きます。
John Dickson Carr,
The Mad Hatter Mystery
(Kindle)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます