以前、幸田露伴の釣りに関する随筆に出会ったことを記事にし、その際、掲題の随筆が特に気に入って、「色紙か何かに書いて飾っておきたいくらい、この一節がとても気に入りました。」と書いたことがあります。
ちょうどその頃、知り合いに書道が趣味という女性が居て、以前から「何か気に入った言葉があったら書きますよ」と言われていたことを思い出しました。実は彼女、大学でも書道を専攻したほどの腕前。早速彼女に「ちょっと長いんだけどいい?」とお願いしたところ、快く引き受けてくれました。
それがちょうど夏頃だったのですが、今週、打ち合わせで久しぶりに彼女に会った際、「遅くなったんですが・・・」と鞄の中から出して来たのがこちら。折り畳まれた半紙を広げると、
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書かれているのは以前の記事で書きぬいたこの部分。
「日々能く勤め、時々能く遊び、家に在つては各自の職業を忘れず、
綸を垂れては遊漁者の資格を忘れず、若(てきじゃく)として
恆に愼み、悠然として長く樂まむものは、心に憂無く、身に病無く、
清福十分、俗にして仙たり、愚にして哲たらん。」
鮮やかな筆の運び、墨の飛び具合、リズム感があってとてもいい字です。
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嬉しくて、家に帰ってからもずっと眺めています。折角の書なので、部屋に飾ろうと思っていますが、あいにく我が家には床の間がないので、和風の表装はやめ、額装にしよう考えているところです。
これで、殺風景な釣りウマシカの道具部屋が、一気にグレードアップ
・・・したらいいなぁと、謙虚に思う今日この頃です