学生時代に京都に居た頃、京都で有名な珈琲屋は片っ端から行きましたが、その中でも最も有名な老舗はと問われれば、文句なしに堺町三条にある「イノダコーヒ」でしょう。
不肖ワタクシも一度だけその本店に行ったことがあるのですが、大きなカウンターに座って緊張することしばし、真っ白のバーコートに身を包んだお兄さんから「お砂糖とミルクはお入れしてよろしいですか?」と聞かれ、緊張のあまり「はい、はい、はい」と何度も頷く19歳。しかしてそのお味はさっぱり美味しいと思わず(というか、味がよく分からず)、その後一度も再訪しないまま京都を離れました。
そんなイノダコーヒが東京にもあると知り、大丸東京店の8階に向いました。メニューを見ると、どれどれ、ブレンドの一番安いのが630円!相変わらず強気だなぁ。しかし、さすがにその店内は落ち着いた内装で、窓に面した広いカウンターなど、会社帰りにちょっと本でも読むにはもってこいです。
肝心の珈琲ですが、やはり私にはその美味しさはよく分かりませんでした。珈琲というのは完全に嗜好品なので、美味しい不味いは人それぞれで結構だと思うのですが、それにしても1杯630円は高くないかい、東京?
因みに私が京都で最も美味しいと思って気に入っていた珈琲は、河原町三条を下がったところにある「六曜社」です。1階と地下とに分かれていて、私は地下のカウンターがお気に入りでした。夜はバーになって、初めて角瓶を飲んだのもここだったような気がします。珈琲は確か当時1杯350円か400円くらいだったと思うのですが、今は少し値上がりしているでしょうか?
京都と珈琲と言えば、私には想い出の喫茶店がたくさんあります。学生の頃はあまりお酒を飲まなかったこともあって、喫茶店には本当によく行きました。河原町界隈では、六曜社の他、三条にあった「ふるはうす(古館)」、有名な「夜の窓」、紅茶の「せいほう」、少し下がって「築地」と「築地館」、「みゅーず」、「ソワレ」、そして何よりのお気に入り「フランソワ」・・・。
学生さんと呼ばれたモラトリアムの時代。お金は無くとも時間だけはたっぷりありましたし、何よりも今とは時間の感覚が違います。今にして思えば面映いようなところもありますが、当時は至って大真面目でしたし、あれはあれで一つの時代だったなぁと思います。このうちの何軒が今も残っているかは知りませんが、機会があればまた訪れてみたいと思います。
え?イノダコーヒは?・・・結局、私にはちょっとお上品過ぎるようですねぇ
ただいま文泉におります
theorbe@excite.co.jp
東京へ来る時は連絡下さい。
あとでメールアドレス送っときます
その辺りは、釜飯の珍竹林しか知らないですね・・・
あと、天ぷらの高瀬舟と、漬物の村上重。
あぁ、懐かしいなぁ
あのピサロは、ありきたりかも知れませんが、本当に落ち着く構図ですよね。
泉氏とはメールで連絡先を交換しました。
ありがとうございました