初めてショーンバーグの名前を知ったのは、多分中学か高校の頃。ちょっといま本棚を探しても見つからなかったので不正確かも知れませんが、吉田秀和の『世界の指揮者』(新調文庫)のなかで言及されていたような気がします。1950年代以降、ニューヨークタイムズの誌上で音楽批評に辣腕を揮ったジャーナリストです。
それ以来ずっと、頭の隅にはいつも「いつか読みたいなぁ」と思っていたのですが、日本語訳はとっくに絶版になっていたり、またネット書店が出始めの頃、AmazonやBarns&Nobleで検索してもなかなかヒットしなかったりでとっくに諦めて、それっきりすっかり忘れてしまっていました。
ところが先日、いつものようにAmazonのサイトをブラブラしている時、ふと思いついて原書のタイトルを入力して検索してみると、あっけなくヒット。勿論古書ですが、いくつも出てきます。しかもよく見ると、どうやらアメリカの古書店のようです。
送料は340円とあって、まさかこの送料でアメリカから届くんかいな?と半信半疑だったのですが、ご覧の通り、ちゃんと届きました。素晴らしきかな、Amazon (但し郵便での配送なので、注文してから届くまでちょうど2週間掛かりました。それもちゃんとAmazonのサイトに書かれています。)
現物を手にしてみると、古書とは言いながら、手垢で汚れているというよりは、本棚か倉庫の中で長らく眠っていた、埃の臭いがします。何と言っても1967年の出版でしかもペーパーバックですから、背綴じの部分はご覧の通り、開くとすぐにパキパキと割れてしまいます。
しかし、その中身は写真やカリカチュアがたくさんあって、なかなか楽しそうです。
これはワーグナー。
ベルリン・フィルを率いたニキシュも居ますし、
こちらはマーラーですね。
フルトヴェングラーの見慣れた写真も。
まだパラパラと覗いてみただけですが、単に同時代の指揮者の論評だけでなく、古くはバッハ以前の歴史を紐解き、指揮者という存在の成り立ちから追っていく内容のようです。何だか読むのがもったいない気分と、早く読みたい気分と、宙ぶらりんの感じですが、まぁ、ビールとバッハをお供に、少しずつ読んでいきたいと思っています。
Harold C. Schonberg,
The Great Conductors
(Simon and Schuster)
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