Year In, Year Out ~ 魚花日記

ロッドビルドや釣りに関する話題を中心に。クラシック音楽や本、美術館巡りに日本酒も。

「うみのいろ うみのかたち」(ブリヂストン美術館)

2009年07月22日 | 美術・芸術

ブリヂストン美術館の展示が入れ替わりました。

今回の企画展は「うみのいろ うみのかたち」と題して、時代とともに画家にインスピレーションを与えてきた「海」というものをテーマに、コレクションのなかから作品が選ばれています。

展示されている作品自体は、いつもの常設展で見ているものが多かったのですが、今回特に目を引いたのがこの大作。


(ザオ・ウーキー「07.06.85」1985年)

絵葉書をデジカメで撮りましたが、光の加減か、深遠な青が見えてこないですね。ブリヂストン美術館のホームページにある画像もどうぞ。

私は普段抽象画はほとんど見ないのですが、どうしたことかこの絵の前ではじっと立ち止まってしまいました。それが海を描いたとはどこにも書かれていないのですが、この青は深海を思わせるに十分な深さと迫力。絵をどう解釈しようとそれは見る側の自由でしょう、そんな風に想像力を働かせながら、時間を忘れてしまいました。

他に、今回は珍しく藤島武二の作品が多く展示さていました。私が気にいったのはこの小品。


(藤島武二「港の朝陽」1943年)

モネを彷彿とさせるそのタッチ。絵葉書が売っていなかったのが残念です。


最後に常設展から1枚。佐伯祐三です。


(佐伯祐三「ガラージュ」1927-28年)

佐伯祐三の描く壁の文字は、デフォルメされて画面をはみ出さんばかりの躍動感で、それだけを見ると若干おかしいのですが、少し離れて絵全体としてみるとちゃんと調和が取れているという、不思議な絵です。


と言う訳で、また会社帰りにふらっと寄るのが楽しみになったのでした。


うみのいろ うみのかたち
ブリヂストン美術館
2009年7月11日~10月25日

コメント (2)    この記事についてブログを書く
« 印籠継ぎ | トップ | 『日本の名随筆 「釣」』 »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ドビュッシー (かりん)
2009-07-23 00:46:33
ステキな青ですね
ちょうど今、ピアニストの青柳いづみこさんのドビュッシーを読み、ピッタリの文章に出会いました
「彼の海を聴くとき、中略、太古の海、人間がこの世に生まれ出る前に浸かっていた羊水の記憶、性の海」
絵も見たいし、ドビュッシーも聴きたくなりました!
返信する
かりんさん (魚花)
2009-07-23 20:04:24
なるほど、ドビュッシーの海を連想されましたか!
素敵な文章ですね。

私も船で釣りをしながら、大きな海に抱かれているような
錯覚に陥ることがあります。
深さを考えるとぞっとするのですが、けれどどこか
惹かれるものがあるのです。

久しぶりにアンセルメのCDを聴いてみようかなと思っています。
返信する

コメントを投稿