モーリス・ルブランの 813(1910年)読了(英訳・邦題も同名)。
ダイヤモンド王のケッセルバックがパリにやって来た。何か重要な秘密を握っているようだが、アルセーヌ・ルパンがそれを探ろうとした矢先、ケッセルバックは何者かに殺されてしまう。
姿の見えぬ黒幕 "L. M." との息詰まる闘い。一度は逮捕されたルパンだったが、持ち前の機転と度胸で脱獄に成功し、リベンジを誓う。やがて明らかになる真相、そのとんでもない結末に天を仰ぐルパン・・・
文庫本では2冊にまたがる長編、それはまさに娯楽小説の粋。歴史上の人物や、英国の同業者 Holmlock Shears(もちろんアナグラム)が出てきたりと、時にユーモア溢れる筆致に素晴らしいテンポ感。律義で真摯だが、どこか人間臭い怪盗紳士ルパンの描写と相俟って、いつまでも読んでいられる。
アルセーヌ・ルパン、もう1作行きます。
Maurice Leblanc,
813
(Kindle)
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