Year In, Year Out ~ 魚花日記

ロッドビルドや釣りに関する話題を中心に。クラシック音楽や本、美術館巡りに日本酒も。

モーリス・ルブラン/813

2020年01月28日 | 

モーリス・ルブランの 813(1910年)読了(英訳・邦題も同名)。

ダイヤモンド王のケッセルバックがパリにやって来た。何か重要な秘密を握っているようだが、アルセーヌ・ルパンがそれを探ろうとした矢先、ケッセルバックは何者かに殺されてしまう。

姿の見えぬ黒幕 "L. M." との息詰まる闘い。一度は逮捕されたルパンだったが、持ち前の機転と度胸で脱獄に成功し、リベンジを誓う。やがて明らかになる真相、そのとんでもない結末に天を仰ぐルパン・・・

文庫本では2冊にまたがる長編、それはまさに娯楽小説の粋。歴史上の人物や、英国の同業者 Holmlock Shears(もちろんアナグラム)が出てきたりと、時にユーモア溢れる筆致に素晴らしいテンポ感。律義で真摯だが、どこか人間臭い怪盗紳士ルパンの描写と相俟って、いつまでも読んでいられる。

アルセーヌ・ルパン、もう1作行きます。

Maurice Leblanc,
813
(Kindle)

コメント    この記事についてブログを書く
« 苺(とちおとめ) | トップ | アーティゾン美術館(旧ブリ... »

コメントを投稿