フォンテーヌの家  わたしのつぶやき

横浜市南区で趣味の会[フォンテーヌの家」 

乙川優三郎著「冬の標」を読みました。

2006-10-04 23:47:53 | 読書会
今日読書会でした。
この所、弟一週にしたり二週にしたりしていたためか、
お忘れになった方が発生。珍しく六人でした。

乙川優三郎著「冬の標」を読んだのですが、
最初の言葉が「凄いわね~」「勇気あるわね~」でした。

時代設定は江戸時代、幕末です。主人公の明世は娘時代から
絵を先生について学びますが、この時代は珍しかったようです。

結婚して、舅が亡くなり、子供が生まれまもなく夫が亡くなり、
実家から戻して欲しい旨を申し入れても、子供の母親であることを
理由に婚家からでられなかったのです。

生活全体を明世は賄いながら、絵をまた描くのです。
紙や顔彩を買う費用も大変だったらしく、髪飾りも櫛も
手放してます。

台所の片隅で描くのですが、その時間を沢山持ちたいために
家事を頑張ります。その気持ちは良くわかりますね。
絵を描くために生きている、そんな気配を感じさせられました。

絵の仲間の男性と相思相愛になります。
女児しか生ませられない養子先で、
絵を描きたいと言う思いが同じ男性です。

今の時代でもビックリですが、江戸時代なのです。
勇気あります、と言ったメンバーの気持ち良くわかります。

倒幕とか勤王とか、維新にむかって落ち着かない時勢に
一人息子の行く末に、心休まらない母親としての明世も良く書かれています。

時代を江戸時代に設定していますが、現代をスリップさせただけ、
と言うのが、メンバーの意見でした。
経済状態が落ち着かず、いつ会社がどうなるか解らない現在、
息子の会社がいつどうなるか、全く先の事は見えない。
それが現在の状況ですから。

著者が理想とする女性はどんなタイプか?
著者の出身、経歴、思想なども話題になりました。
いろいろな話題が飛び交い、久し振りに驚いたり
感心したり出来たのは私だけでは無いでしょう。
コメント
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