『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

暴走するマネー・恐慌化する世界・大竹愼一薯

2017-08-24 07:59:21 | 日記

大竹愼一氏の「2107暴走するマネー恐慌化する世界」を読みました。氏は拓銀や長銀破たん時に預金者に「預金を引き上げない」との文面をタイミングよく回状したそうです。結果、破たんのトリガーを引いた一人かもしれません。「カネが動いて、その結果モノが作られるのであって、モノを作って、そこからカネが出ていくのではない」と本書の中で力説しています。バブル崩壊は為替が暴落し、金利が上昇して始まる。氏は今回、ビットコインの利便性によるお金の大移動に注目しているようです。明治維新の『坂の上の雲』とは、日本を欧米的近代国家にしようと、自らの目的を疑うことを知らずに奮闘する楽天的な明治人たちを、作者が「楽天家たちは、そのような時代人としての体質で、前をのみ見つめながらあるく。のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶(いちだ)の白い雲がかがやいているとすれば、それをのみ見つめて坂をのぼってゆくであろう」(『坂の上の雲』あとがき 文春文庫)とたとえたところからきている。現代の指導者がグローバル化に対応するため、坂を上り切れば楽天的な未来が開ける。そう信じて頑張った結果が「恐慌化する世界」では何のために頑張っているのか、やり切れません。

コメント (2)
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