大塚家具が大幅赤字で大苦戦です。確かに、苦境ですが、一般的に言われている存亡の危機ではないようです。まず、この会社無借金、総資産も348億円と潤沢です。要はリストラや無配当など断行すれば良いだけなのです。危機を煽っているのは買収したい投資ファンド系ではないでしょうか?資産がある会社は狙われる。下手を打たなければ、景気が上向き業績回復は難しいことではない。父親と決別した久美子社長の「覚悟」に期待したいものです。
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もはや崖っぷちと言うほかあるまい。大塚家具の久美子社長(49)が、父親と袂を分かち、威勢よく走り出してから2年半。だが、先月、大塚家具が今期の業績見通しを発表したところ、当期利益は昨年に比べて大幅に下回り、なんと63億円の大赤字に。このままだと、米びつが年内には底を突きかねないのだ。
8月4日、大塚家具が上半期の決算を発表したが、業界をざわつかせたのは、その1週間前の7月28日に公表された、今年12月までの「業績予想の修正」に記された驚愕の数字だった。大塚家具を担当する経済部記者が言う。
「これまでは、今年1月から12月までの通年業績予想を純利益3億円強の黒字と見込んでいました。ところが、一転して63億円の赤字に転落すると修正したからです。本業の儲けを示す営業利益は、当初予想していた5億円の黒字が43億円の赤字に転落。つまり、家具がまるで売れていないのです」
創業者である父・勝久さん(74)に委任状争奪戦で勝利した久美子社長。“2代目城主”となった2年目の昨年、創業以来とされる45億円の大赤字を計上した。が、今年は、現段階の試算で昨年を上回ることになる。しかも、あくまで見通しなので、最終的にはそれ以上なんてことにもなりかねないというのである。
なぜ、ここまで業績が振るわないのか。
「今、彼女が進めているのは、床面積を小さくすることでコストを抑えて利益に繋げるという、店舗の小型化。これまでの大型店からスケールダウンを図っていますが、業界で成功したビジネスモデルの常識とは真逆だと言われている」(同)
さらに一番の敗因は、久美子社長が力を注ぐ、中古品を買い取って販売するリユース事業にあるという。
「大塚家具は新品を扱っている同じ店舗で、リユース品を並べています。その結果、お客は値段の安い中古品を買ってしまい、高額な新品が売れないというジレンマに陥っている。ナンセンスと言うほかない」(同)
高級品を扱う従来のブランドイメージから低価格路線を目指した久美子社長だが、次々と繰り出した戦略は、いずれも裏目に出てしまっているというわけだ。
大塚家具の内部を知る関係者が今後を占うに、
「今回の発表では、有価証券の減少のみならず、営業活動によるキャッシュフローもおよそマイナス30億円。単純に営業すれば1カ月あたり5億円ずつ損をしている計算になります。日々の営業に必要な現預金は、21億円しかない。このペースで行くと、4カ月で現金が溶けてしまうことになる」
今後、茨の道を歩むことになるのは言うまでもない。
「すぐにでもリストラや店舗の統廃合をする必要があります。ただし、そのためにはまとまった金が運転資金とは別に必要です。銀行融資を受ければ資金不足は回避できますが、問題は株の配当。久美子社長になった際に、配当金を3年間は80円付けるとしましたが、今年2月、業績が悪化したため40円に減配しています。しかし、今回の件で、配当が付くかどうか」(同)
その時、株主が“城主”に黙っているはずもなく……。もはや、先代に泣きつくしか道はなさそう?