新型コロナウイルスの流行で、特に公立高校生の学習が遅れている。オンライン授業の進み具合も地域によってばらつきがある。
そのため、来年1月の大学入学共通テストは当初予定通りの第1日程に加え、その2週間後に第2日程を設けた。浪人生に比べて準備が不足しがちな現役生は、第2日程も選択できる仕組みだ。
問題は、入試の公平性をどう確保するかである。共通テストは初めての実施だ。第2日程の受験生は、第1日程の傾向をつかんだうえで受験できる利点がある。
テストの難易度によっては、第1日程と第2日程で極端な有利、不利が生じる懸念もある。しかし準備期間が足らない現役生が圧倒的に不利な状況は変わらない。専門家は「学習への動機づけもできないまま休校になってしまったので、6年一貫校、特に公立高校は地域間の差がかなりつくでしょう。しかし、6年のスパンでカリキュラムを組むため余裕があり、進度も速い中高一貫校は影響が少なく、首都圏と関西圏の公立高校が最も影響を受けると思います」のちに塾で補えばよいかというと、そうではなく、「塾や予備校のカリキュラムは、高校での履修を前提に組み立てられていて、未履修部分の講義をしてくれるところはありません」
そうであれば、独自のカリキュラムを行い、自学自習が得意な生徒はドンドン成績を伸ばし、勉強の苦手な子は、さらに苦手になる。また、来年度の大学受験については、「圧倒的に浪人が有利になるでしょうね。準備が遅れる現役に対し、浪人は一度入試を受けたうえで準備していますからね」 東大生の逮捕者は80人以上。法学部だけでも20人が捕まり、その年の東京大学入学試験が中止になった安田講堂攻防戦(1969年1月18・19日)以来の不公平が蔓延り、新型コロナ禍学年に生まれ、人生計画を狂わされたと不幸を嘆く若者が続出という結果になりかねない。
以下抜粋コピー
来春の国立大入試について、国立大学協会は13日、実施要領を改定し、来年3月22日に一斉追試験を実施することを決めた。新型コロナウイルスに感染するなどし、前期日程、後期日程のどちらか一方を受けられなかった場合に、追試により受験機会を確保する。各国立大は7月中に自校の来春入試について詳細を決定、公表する。 長期休校で学習が遅れた高校生への対応として、国大協は「出題方法などの配慮について必要な措置を最大限講じる」ように各大学に通知した。文部科学省も学習遅れへの対応を求めており、6月に公表した大学入試の実施要項では、出題範囲の限定や選択問題の設定などを例示している。