2021年大学入試が混とんとしてきました。9月入学制度とん挫に続き、大学入試改革3本柱が見送られ、骨抜き改革です。結局安倍首相の取り巻きの助言による思いつき改革と丸投げが原因でしょう。丸投げされる担当大臣も元々改革する意識がなく、相談する相手も意識がない。安倍首相の思いつきに、お茶を濁す程度の回答なのです。かくして、大学入試改革はとん挫し、将来の日本を担うべき若い有能な人材が役割を果たすことができず、日本はますます衰退へと向かう。国政を改革しないと大学入試改革も前進できません。そのために出来ることから始める。無責任、頓珍漢、党利党略政治家の過去の発言を国会中継中でも、簡単に検索し、動画などで対比できるシステムを導入すべきなのではないでしょうか?
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大学入試改革の3本目の柱「主体性評価」のため国が進めてきたe-ポートフォリオが見送られる見通しだ。「英語民間試験」「国語・数学の記述式」に続き、改革はどうなるのか。
「大学入試に使われるからと、生徒が入力に費やしてきた時間やデータはどうなるのか……」
高校教員(36)は、やりきれなさを口にした。生徒が学習や部活動などの記録を蓄積し、大学入試にも活用できる電子システム「JAPAN e-Portfolio(ポートフォリオ)(JeP)」について、文部科学省が運営許可を取り消す方向で調整に入っていることがわかったからだ。JePは国の委託事業として始まり、2019年度から教育情報管理機構が運営を引き継いだ。20年3月末時点で、全国約16万5千人の生徒が利用しているが、中断されることになる。
入試改革では知識だけでなく生徒を多面的に評価することに重きがおかれ、一般選抜でも「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を評価するよう国が推進してきた。ただ、JePを入試に活用する大学が少なく、許可要件である財政的な安定性を満たせなかった。東京大学大学院教育学研究科の中村高康教授は言う。
「入試改革の3本目の柱である、主体性評価そのものがゼロになるわけではありませんが、前提としてきたシステムがなくなるわけですから、大きく後退するといえます」
JePについては、これまで複数の問題が指摘されてきた。
「民間企業であるベネッセコーポレーションのID取得が必要で、運営にも深く関わっていました。利益誘導や個人情報の扱いが懸念されました」(前出の高校教員)
前出の中村教授は言う。
「主体性は評価すべきなのか、どう評価するのか、といった本質的な議論がないまま、システムが先行しました。主体性評価は限定的にすべきです。高校生の生活があまねく入試の評価を意識したものになるのは健全とはいえません」
JePが頓挫すると、昨年見送られた「英語民間試験」「国語・数学の記述式問題」と合わせ、入試改革の3本柱の目玉システムが全て見送りになる。三つに共通することは何か。
「いずれも改革の理念が十分に吟味されないままスタートし、民間事業者に丸投げされました。専門家や学校現場が指摘してきた問題点にきちんと耳を傾けていれば、高校生たちを巻き込む前に食い止められたはずです」(中村教授)
入試改革の前提が次々と崩れるなか、来年1月からは大学入学共通テストが始まる。「結局、センター試験と何が違うのか?」といった困惑の声も上がる。
共通テストはセンター試験同様、形式的にはマークシート式だが、内容は大きく変わる。共通テストは「思考力、判断力、表現力」の測定に加え、「主体的・対話的で深い学び」を重視。課題を発見し解決法を考えていく場面を取り込んだ出題にも力を入れている。
例えばプレテストでは、国語で複数資料を読み合わせる問題が出たり、数学などで長い会話文を通して答える問題が出題されたりした。しかし、国語の専門家からは「問われているのは、情報処理力で読解力でない」。数学の専門家からも「無駄な設定が邪魔して、純粋な数学の思考力が測れない」などの批判の声がかねて上がっていた。
本来はこれら試験自体の中身の議論が重要だが、これまで改革の「3本柱」の議論が前面に立ち、陰に隠れがちだった。
「共通テストの出題内容には欠陥があると、多くの専門家が指摘してきました。いよいよ本丸の議論になりますね」(中村教授)
テスト理論が専門の南風原(はえばら)朝和・東京大学名誉教授は言う。
「『思考力、判断力、表現力』は、学力の3要素の一つとされるが、それ自体、きちんとした学問的議論を経て設定されたものでない。定義も曖昧なまま、入試で具現化しようとして無理が生じている。長い対話形式の出題も、『主体的・対話的で深い学び』からの短絡的な発想ではないか。エビデンスに基づいた検証と反映が今後必要です」