挑戦者の若き俊英・藤井聡太七段(17) は中盤、終盤と押され気味だったが、持ち時間がほとんどなくなった最終盤に粘りを見せ、何と木村王位を大逆転 追い詰められた状態で、天才棋士が驚異的な粘りを発揮した。2日目進行した対局は時間がかかり、ほぼ互角。だが、中盤から終盤にかけてじりじりと差を広げられると、持ち時間でも一時は1時間以上のリードを奪われた。それでも諦めずに必死に勝負手を繰り出し続けると、AIが一番優れた棋士としている木村王位をついに逆転。優勢になってからは1分将棋の中でも鋭い手で大逆転での勝利をもぎ取った。この状況からの逆転は正にAI越えで、見ているほうも展開が予想できず、楽しい。もはや17歳で敵なしで棋聖戦、王位戦とV当確です。
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藤井聡太七段が木村一基王位に挑戦する王位戦七番勝負第2局が13、14日に北海道札幌市の「ホテルエミシア札幌」で行われ、終盤の逆転劇で藤井七段が勝利した。
木村王位の先手番で始まった今局、戦型は「相掛かり」で進み、藤井七段が40手目で自身初となる封じ手をする展開に。サインの方法について木村王位が“アドバイス”する場面が話題となる中、14日に立会人の深浦康市九段が封筒を開封し、8六歩から対局が再開された。
そしてこの日は解説などずば抜けたトーク力で「将棋の強いおじさん」と高い人気を誇り、「千駄ヶ谷の受け師」との異名も持つ木村王位が藤井七段の飛車さばきを止めにかかる展開となった。
元奨励会経験者・片山良三氏による「NumberWeb」の記事では、棋聖戦で藤井七段が対局している渡辺明三冠が「木村さんは昔から指し方を変えていません。リスキーで損な指し方と言われていたこともありましたが、いまはAIに最も高く評価されている棋士です」と評していたが、“AI超え”の手を繰り出す若き俊英・藤井七段と、円熟味あふれる木村王位の妙手がつばぜり合った。
長い中盤戦の後に少しずつリードを奪ったのは木村王位。藤井七段が天を見上げる場面が増えるなかで木村王位はジワジワと相手玉を追い詰めにいく。一方、藤井七段は122手目で5三香という攻防手を繰り出すなど粘りを見せ、お互い1分将棋となる熱戦の中で藤井七段が逆転。最後は木村王位が144手までで投了し、藤井七段の連勝となった。
藤井七段の次局は中1日で、16日の棋聖戦第4局(大阪・関西将棋会館)となる。この1カ月間で東京、愛知・豊橋、北海道、そして大阪と長距離移動が続く中、藤井七段は心身の体力を万全にして初タイトルへの一戦を迎えられるか。