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24年米大統領選、次のリーダーは伏兵同士?ニューサム対デサンティスに?

2022-07-30 09:06:29 | 日記
米国で2024年の次期大統領選に向けて、民主、共和両党の「次のリーダー」をうかがう動きが出ている。民主党はバイデン大統領(79)、共和党はトランプ前大統領(76)が健在だが、世論調査では約6割が両氏の24年の大統領選への立候補を望んでいない。今年11月の中間選挙を前に、両党の有力者が布石を打ち始めている。

トランプ氏1強に変化の兆し
 共和党ではトランプ氏が根強い影響力を維持している。7月中旬に公開された米誌とのインタビューで、24年の大統領選に再挑戦するかどうかについて「既に決断した」と語り、出馬を強く示唆。11月の中間選挙前にも出馬表明するとの見方が出ている。
 ただ、世論調査ではトランプ氏の出馬に否定的な意見が多い。7月8~11日のユーガブ社の調査では、59%が「出馬すべきではない」と回答。「出馬すべきだ」は全体で28%、共和党支持者に限っても60%にとどまった。
 
トランプ氏の支持が下がっている原因は『2020年1月6日に起こった連邦議会議事堂襲撃事件 』でトランプ氏が2024年大統領選前に訴追されるという可能性も日に日に現実味を増しているからだ。そのようななか、トランプ氏が出馬しない場合を考慮し、共和党が擁立しようとしているのがイーロン・マスクも支持を表明しているフロリダ州のロン・デサンティス知事である。

◆共和党にデサンティス氏擁立の動き
 ロン・デサンティス氏は2018年のフロリダ州知事選において僅差で勝利し、翌年就任。それから1年ほどでパンデミックに見舞われたが、CNNによると、新型コロナウイルスのワクチン接種義務付けを拒否し、接種義務を課した企業や病院に罰金を科す法律を作るなど、連邦政府の規定やバイデン大統領に反抗。また他州のようなマスク着用令も発令せず、一時は全米一の新型コロナホットスポットとなった。そしてその後、「Don’t Say Gay(ゲイと言うな)」法を施行して、同州一の雇用主であるディズニーとトラブルに陥るなど、絶対君主的な言動が目立つ人物である。しかし、その傲慢ともいえる「強さ」が逆に共和党員に人気を呼んでおり、あのイーロン・マスクもデサンティス氏支持を表明している。現在のところ同氏は出馬について触れておらず、同州在住のトランプ氏の動向を窺っていると思われる。
 7月に実施された2024年大統領選共和党候補に関するニューヨークタイムズの世論調査では、トランプ氏が現在も一番人気ではあるものの、その支持率は49%と、ついに過半数を割った。そして大差ではあるが、デサンティス知事が25%で2位となっている。6月後半に行われたハーバード大学の世論調査でもトランプ氏が56%で1位、2位は16%でデサンティス氏だった。ほかの候補者はみな一桁台であるため、もし何かの理由でトランプ氏が出馬しない場合は同知事が共和党候補となる流れができてきていると言えるだろう。しかしデサンティス氏は全国的にまだ知名度が低く、同調査では、現時点でカマラ・ハリス副大統領と対戦した場合、ハリス氏が39%、デサンティス氏が37%で、僅差ではあるがハリス氏が勝っている。

一方、民主党の新たな大統領候補として台頭してきたのが、デサンティス氏と対照的なカリフォルニア州知事のギャビン・ニューサム知事だ。ニューサム氏は最近、大統領選出馬を意識してか、同州内外で目立った動きを見せている。7月7日には糖尿病治療に欠かせないインスリン価格抑制のため、同州内で製造を行うことを発表。また、7月12日には銃による暴力の被害者が銃製造業者を提訴することを可能にする法律に署名した。同州ではすでに厳格な銃規制法が施行されているが、これでさらに銃製造業者が銃の販売をしにくくなることになる。これは無差別銃撃事件が続発するアメリカで同州が銃規制に真剣に取り組んでいることをアピールする結果となった。 さらにニューサム氏はトランプ氏のソーシャルメディアプラットフォームである「トゥルース・ソーシャル」に登録し、共和党政策を批判する投稿を行っている。またABCニュースによると、同氏は人気トークショー番組に出演して、デサンティス氏の新型コロナ政策を批判したり、独立記念日にフロリダ州でデサンティス氏を批判するキャンペーン広告を流したりするなど、デサンティス氏を牽制したり対抗したりする言動も増えてきている。
 カリフォルニア州のニュースラジオ局によると、ニューサム氏は7月13日からワシントンDCを訪問している。同記事によると、訪問の目的は教育コミッションからの賞を受け取ることであるというが、大統領選出馬に向けた伏線として自分の存在を全国的にアピールする狙いもあるだろう。どうやら2024年の大統領選は「ニューサム対デサンティス」になる可能性が高くなってきたようだ。

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