北京市内の外食産業では、一定規模以上(年商1000万元=2億円以上)の飲食店の利益総額は1.8億元(約367億円)であって、それは前年同期比では何と、88.8%減であるという。「利益約9割減」というはまさに驚異的な数字である。
外食産業全体の売上はそれほど減っていないが、その中で、一定規模以上飲食店の利益総額は約9割減であることが意味するのは、要するに、消費が沈没していく中で、北京市の外食産業は激しい価格競争に巻き込まれて、最低限の売上を維持するためには価格を無理やりに抑えて利益を徹底的に削るしかないところに追い込まれている。
年商1000万元という目安以上の規模の飲食店といえば、個人飲食店以外のちょっとした客収容数のあるレストランや居酒屋、そしてある程度の高級店がその中に含まれている。こうした飲食店が利益無視の「低価格路線」に走っていることは、要するに政府関係者・経営者・富裕層を含めた北京市民全体は金欠となって、「激安店」以外のちゃんとしたところでの外食を極力控えていることを示している。 首都の北京、国際金融の窓口だった上海でさえ、未曾有の大不況に陥っていることの証拠であろう。