『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

和田秀樹氏「60歳からでも脳は訓練次第でどんどん発達する」

2024-12-31 04:12:34 | 日記
高齢者専門の精神科医でもあり、高齢者医療について書き続ける人気作家、和田秀樹さんは以下のように語っています。
シニア世代の方は多くの可能性を秘めていますし、仮に過去に華やかな学歴や肩書などを得ていなかったとしても、70代、80代、時には90代になってから華々しい活躍をしたり、世の中に大きな影響を与えたりした方は大勢います。
大切なのは、「明日は今日の自分を超えていこう」という思いで前進し続けること。そういう人は「頭をよくしよう」と決意すれば、何歳であってもどんどん知力を増していくことができますし、限界突破していくことだってできるでしょう。
人生にはいくらでも形勢逆転のきっかけが転がっています。ですから、「もうこんな歳だから」とか「学歴や肩書がないから」「取り立てて秀でたものがないから」などと言って自分の限界を決めてしまうのは、とてももったいないことだと思います。
積み重ねてきた年齢と人生経験を武器に、花開くときを信じてください。諦めさえしなければ、人は何歳からだって発展し続けられるし、一生頭をよくし続けられるのです。
若い時より脳の働きをよくするのは十分可能なこと
意外かもしれませんが、脳はいくつになっても鍛えることができます。これまで、脳は年齢とともに衰えていくものだから仕方ない、と諦めていた方も多いことでしょう。
実際に専門家たちの間でも、20世紀まではそのように思われていました。脳の神経細胞は成人になってからは減る一方で、その後、増えることはないと思われていたのです。必然的に、大人になれば記憶力も衰えるものと思われるようになりました。
ところが2000年、ロンドン大学の認知神経学の研究者、エレノア・マグワイアー博士がこの常識を覆し、「脳の神経細胞は、大人になっても増えることがある」と報告したのです。
ことの発端は、マグワイアー博士が、ロンドン市中を走行するタクシー運転手たちの優れた記憶力に興味をもったことでした。
ベテラン運転手たちは、ロンドンの複雑な路地や裏道を詳細に記憶し、そのうえで、時間帯によって変わる道路の混み具合なども加味しながら、毎回、最適なルートを導き出しています。
その驚異的な記憶力に関心を抱いた博士が、タクシー運転手と一般の人たちとの脳の比較研究をした結果、運転手たちの脳の「海馬(記憶を司る部位)」が、一般の人たちより大きく発達していることを発見したのです。
特に長年従事している運転手ほどその度合いは大きく、運転手歴30年を超えるベテランは、海馬の体積が実に3%も増えていました。
ベテラン運転手の脳内には、緻密な道路地図が見事にインプットされています。彼は毎日、乗客から目的地を告げられるたびに、その詳細な地図を思い浮かべながらベストな行き方を想定します。
そのような、「情報を記憶し、それを引き出す」という作業を長年にわたって積み重ねてきた結果、彼の海馬の神経細胞は増え、大きく発達していたというわけです。
このように、脳は訓練次第で何歳からでも発達しますし、このベテラン運転手の例のように、若い頃より記憶の容量を増やしたり、働きをよくしたりすることだって十分に可能なのです。
筋力と同じように、記憶力も思考力も、使わなければ当然衰えていきます。だからこそ、「もう歳だから」とマイナスな自己暗示をかけて諦めるのではなく、「まだまだこれから」と前向きな気持ちで脳を鍛えていくことが大切です。そうすれば自ずと結果はついてきますし、理想を持つことで毎日に張りも生まれてくるでしょう。中高年には元気が出る言葉です。


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