15日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落。終値は前営業日比361.24ドル安の34946.39ドルとなった。米連邦準備理事会(FRB)が利上げを打ち止めにするとの観測が後退する中、米長期金利が上昇傾向を強めると、株式の相対的な割高感が意識されて売りが優勢となった。格付け会社フィッチ・レーティングスのアナリストが「大手米銀を含む70行以上を格下げする可能性がある」と警告したことも投資家心理を冷やした。
中国景気の減速懸念が強まったうえ、米金融セクターを取り巻く不透明感が米株相場全体の重荷となった。米長期金利の上昇も株式の相対的な割高感につながり、幅広い銘柄に売りが出た。
15日発表の中国の7月の工業生産高などの経済指標が軒並み市場予想を下回った。同日には中国人民銀行(中央銀行)が期間1年の中期貸出制度(MLF)金利を引き下げた。中国の不動産大手の経営不安も浮上しており、同国経済の先行き不透明感が高まった。
15日発表の中国の7月の工業生産高などの経済指標が軒並み市場予想を下回った。同日には中国人民銀行(中央銀行)が期間1年の中期貸出制度(MLF)金利を引き下げた。中国の不動産大手の経営不安も浮上しており、同国経済の先行き不透明感が高まった。
処で、アメリカのインフレは本当に落ち着いたのだろうか。筆者は「インフレが今後も高止まりを続ける可能性があり、FRB(連邦準備制度理事会)が利上げを継続するリスクは消えていない」と考える。
FRBは7月25~26日の両日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%引き上げ、年5.25~5.50%とした。
7月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が市場予想を下回った。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの警戒感が和らぎ、買いが優勢となっている。
CPIの上昇率はエネルギー・食品を除くコアが前年同月比4.7%とダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(4.8%)を下回った。前月比では0.2%上昇と6月から横ばいで、市場予想に一致した。次回CPI(消費者物価指数)が発表になるのは(8月分は9月13日)。インフレの鈍化が示されたとして、市場では次回9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが見送られるとの観測が広がった。
もっとも、コア指数の前年比の上昇率はFRBが目標とする2%に比べてなお高い。CPIは総合で前年同月比3.2%上昇と市場予想(3.3%上昇)を下回ったが、6月(3.0%上昇)より伸びが加速。上昇率の鈍化が13カ月ぶりに止まり、政策金利が高止まりする可能性も意識される。
CPIの上昇率はエネルギー・食品を除くコアが前年同月比4.7%とダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(4.8%)を下回った。前月比では0.2%上昇と6月から横ばいで、市場予想に一致した。次回CPI(消費者物価指数)が発表になるのは(8月分は9月13日)。インフレの鈍化が示されたとして、市場では次回9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが見送られるとの観測が広がった。
もっとも、コア指数の前年比の上昇率はFRBが目標とする2%に比べてなお高い。CPIは総合で前年同月比3.2%上昇と市場予想(3.3%上昇)を下回ったが、6月(3.0%上昇)より伸びが加速。上昇率の鈍化が13カ月ぶりに止まり、政策金利が高止まりする可能性も意識される。
FRBは1回の経済発表の結果だけで金融政策を判断することはない。だが、6月分に続いて7月分や8月分も予想を下回る低い伸びが続くならば、政策を変更する十分な理由になる。その際は、9月FOMCで初めて今回の利上げ局面が終了した可能性が高いことを示唆するかもしれない。あわせて、ドット・チャートと呼ばれるFRB高官の金利予想の中間値も0.25%引き下げ、現状の5.25~5.50%に合わせることもありうる。
一方で、消費者物価指数が再び予想を上回り、「インフレが高止まりするリスクが高まった」との見方が強まれば、FRBは「FOMC会合ごとにデータを見て金融政策を決定する」との従来の方針を維持、次回の9月かその次の10月31~11月1日の会合で0.25%の追加利上げに踏み切る可能性もあると見ておいたほうがよい。
では、なぜ筆者はインフレ圧力がこのまま後退するよりも、むしろ再び高まり、「FRBが追加利上げを打ち出さざるをえなくなる可能性がある」と見ているのか。
6月のCPIが株価大幅上昇のきっかけとなったのは、とくにコア指数や住居費やサービス価格など、いったん上がるとそう簡単には下がらないと見られていた分野の伸びまでもが大幅に鈍化したことがサプライズになった。
だが、これは「ベース効果」とよばれる、前年の上昇分がきつすぎて発射台が高くなったために、低めの数字が出たという部分が大きい。具体的に言うと、2022年6月のCPIは総合指数が前年比で9.1%と、今回の物価上昇局面で一番高い伸びを記録した。
これは昨年2月24日にロシアがウクライナへ侵攻したことを受けて商品価格高騰の影響が、一番大きく表れた結果だった。
今回の数字は、ここからさらに物価がどれだけ上がったのかを見ることになるわけだから「伸びが低くなるのは当然」だ。昨年は7月以降、エネルギー価格の急落が主導する形で、急速に物価の伸びが鈍った。今後は逆にベース効果が薄れていく中で、前年比での伸びが強まる可能性の方が高くなると見ておいたほうがよい。
もちろん警戒すべきは、ベース効果だけではない。8月1日の「アメリカ国債格下げショック」前の7月20日にも長期金利が大きく上昇したが、背景にあったのは早朝に発表された失業保険申請件数だ。予想に反して22.8万件に大きく減少、雇用市場が依然として力強く推移しているとの見方が改めて強まったことだとされている。
雇用が好調さを維持する限り、賃金上昇圧力も簡単に後退することはなく、サービス価格などの押し上げ要因となる可能性が高い。この先インフレ見通しが改めて高まる可能性が高いと思える。
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