第三十 高祖恩徳章
高祖大師一代の行果を伺い、無比の誓願を仰ぎ奉るに悉く是れ摂化の妙業大悲の本願ならざるはなし。其の発心の初め、仏前に祈誓して不二法門を感得し命を万里の蒼海に殉へて鉄塔の教風を承け真言秘密の法、曼荼灌頂の道を吾が扶桑国に流伝し給えり。遂に乃ち龍華三会の暁を期し身を百千に現じ影を万億に分かちて広く法界の衆生を利益せんがための故に長しえに肉身を高野の樹下に留めて金剛不壊の大定に入らせ . . . 本文を読む
三代実録にある眞濟僧正の記録。三代実録/貞観元年二月二十五日「丙午 僧正伝灯大法師位眞濟卒。眞濟は俗性紀朝臣。左京人なり。祖は正五位下田長、父巡察弾正正六位上御園。眞濟は少年にして出家。大乗道を学び、兼ねて外伝に通ず。夙に識悟あり。大僧都空海に従って真言教を受く。大師海公は其の器量に監み特に提誘を加へ遂に両部大法を授け伝法阿闍梨と為る。眞濟年二十五なり。時に人之を奇となす。眞濟、愛當護山高尾峰に入 . . . 本文を読む
「都率往生問答訣 月海述」
(謹んで聞く、月海大和尚群生に示して曰く、西方極楽は報身の浄土にして、而も濁世愚昧の凡夫容易に遂げ難し。唯一向に都率往生を願うふべし。我が弘法大師都率を願ひ終焉の期に至りて弥勒の寶號を唱念し、而て寂定三昧に入りたまふ。何に況や凡夫をや。専ら都率宮を願ふべし。愚、案ずるに造悪の凡夫念仏十聲すれば他力の本願に乗じて西方に往生する教行、仏説少なからず。其の要を取るに観無量寿 . . . 本文を読む
プーチンの将来を予見した淮南子の言葉があります。淮南子にいわく、「兵強ければ則ち滅し、木強ければ則ち折れ、革固ければ則ち裂け、歯は舌より堅きも之より先に弊(やぶ)る。是の故に柔弱なる者は生の幹なり、而して堅強なる者は死の徒なり。」「国の存する所以は仁義これなり。人の生ずる所以は行善これなり。国義なければ、大なりといへども必ず亡び、人に善意なきときは惟勇なれども必ず敗る。」(義も礼も善もなくした国や . . . 本文を読む