福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

「神祇秘抄」・・5/22

2024-03-05 | 諸経

「神祇秘抄」・・5/22

五、地神第一尊(天照大神)は欲界天主の元初の事

問、地神第一尊(天照大神)は欲界天主の元初とは、其の義如何。

答、伊弉諾伊弉冉二人の尊は始夫婦の契りを為し四人の御子を生む。一女三男云々。一女は日神(天照大神)、二男は月神(月読尊)、三男は蛭子(西宮神)、四男は素戔嗚尊(出雲大社)。上に云う陰陽二神は以て両部大日と為す。四人の尊を以て四佛(金剛界では、阿閦・宝生・無量寿・不空成就。胎蔵界では、宝幢・開敷華王・無量寿・天鼓雷音)と為す。彼の二人の尊は空裏より天の逆鉾を下げ、此の大海の底豈國无や否やと云て、之を探て則ち引き上げ給ふ。彼の鉾の滴凝て嶋と成る。之を秋津嶋と云ふ。口傳。則ち金峰山也(意味不詳)。此の如く國を造り其の後主を御生ます。上に載せる一女三男(一女は日神(天照大神)、二男は月神(月読尊)、三男は蛭子(西宮神)四男は素戔嗚尊(出雲大社)。)也。先ず一女見給ふに大海底荒振神に對し、叶ふべからず。月宮殿に籠奉る。仍って月神と名く。次に三男を生む。骨なき者也。日本紀に云、竿に絹を懸けたるが如し云々(日本書紀には「次生蛭兒。雖已三歲、脚猶不立、故載之於天磐櫲樟船而順風放棄。」とのみあり、古今和歌集序聞書三流抄には「蛭子生まれて骨無くして練絹の如し」とあり)。是又荒振神に対して叶ふべからず。大海に投籠む。是八大龍神是也(蛭子が龍神に養育されたとの説有り)。次に四男を生む。見るに無双の兵なり。是荒振神に對し然るべしとて、日本秋津嶋に降奉る、則ち出雲大社是也。此の神日本を静め畢らしむ。天上の神を請じ奉らんと欲するに、漸く私曲を起し、彼の神様々に悪振る舞い共ありしかば、日神遥かに之を見給ひて、あらむつかしやとて、日宮殿を閇じ給ふに、天下常闇に成る。是を名けて巌戸閇云々。屢ば深意を以て之を思ふに、巌戸は阿字不生の理體を指す。阿字は地を宰し之に依りて巌戸と云ふ。(梵字の阿字は地水火風空のうち地を指すとされる。)。神は天上神なるが故に天と云ふ。又神は金剛不壊ばん字(梵字)法性身也。巌戸は又阿字(梵字)无明の理也。自宗所談の南天の鐵塔は今巌戸也。鐵塔則ち无明理體なるが故に能居大日覺王は即ち金剛不壊の法身の身也。此の法性智身は

無明の理體に覆る。之を以て巌戸を開くと云。鐵塔を閉ると云は全體一相の稱也

「渓嵐拾葉集」に「鉄塔は法界塔婆なり、天の岩戸閉籠は無明法性の法義なり。開塔は法性無明の法義なり。」)。彼の巌戸鐵塔を開くとも云ふ。本来外に非ず、已體所具の无明也。之を覺を即身成佛と云。之の依りて巌戸を開けば神出現し給ふと云は覺の義なり。爰を以て神は三世常恒に法界を照らし給へども、諸悪魔競はれるの間暫く巌戸を閇る。鐵塔も亦此の如し。悪魔は我等の无明也。真言行人は能く思惟すべき云々。(無明即法性、法性即無明といわれる。)

 

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