金光明最勝王經・全訳・・18/32
金光明最勝王經・大吉祥天女増長財物品第十七(衆生が諸仏の名号・金光明経の名号を唱えて吉祥天を供養すれば財穀を与え諸願成就する)
爾時大吉祥天女。復白佛言。「世尊。北方、薜室
羅末拏天王(へいしらまなてんのう・毘沙門天)城を名て有財となす。城を去ること遠からずして園あり名て曰く妙華福光。中に勝殿あり。七寶所成なり。世尊。
我常に彼に住む。若し復た人有りて五穀日日増多し倉庫
盈溢するを欲求する者あらば、應當に敬信之心を發起して、一室を淨治し、瞿摩(ぐま・牛糞)を塗地し、應に我像を畫き、種種瓔珞もて周匝莊嚴すべし。當に身を洗浴し淨衣服を著し塗に名香を以てし、淨
室内に入り、發心し、我が爲に毎日三時に彼の佛名及び此經の名號を稱し禮敬を申べよ。「南謨琉璃金山寶花光照吉祥功徳海如來。諸香花及び種種甘美
飮食を以て至心奉獻す。亦た香花及諸飮食を以て我像に供養し、復た飮食を持して餘方に散擲し、諸神等に施す。實言して大吉祥天を邀へ請(むかへしょう)じ。所求の願を發す。「若し所言の如く是れ虚しからざれば、我所請のところに於いて空爾ならしむこと勿れ」と。時に吉祥天女、是事を知り已り便ち愍念を生ず。其宅中の財穀をして増長せしめんとす。即ち當に呪をして吾を請召し、先ず佛名及菩薩名字を稱し一心に敬禮せよ。
「南謨一切十方三世諸佛・南謨寶髻佛・ 南謨無垢光明寶幢佛・南謨金幢光佛・南謨百金光藏佛・南謨金蓋寶積佛・ 南謨金花光幢佛・ 南謨大燈光佛・ 南謨大寶幢佛 ・南謨東方不動佛・ 南謨南方寶幢佛・
南謨西方無量壽佛・南謨北方天鼓音王佛・ 南謨妙幢菩薩 ・南謨金光菩薩・ 南謨金藏菩薩・ 南謨常啼菩薩・ 南謨法上菩薩・ 南謨善安菩薩」
如是に佛菩薩を敬禮し已り、次に當に誦呪して我が大吉祥天女を請召せよ。此呪力によりて所求之事皆成就することを得る。
即説呪曰
「南謨室唎莫訶天女 怛姪他 鉢唎哺拏折囇 三曼多 達喇設泥 莫訶毘訶囉掲諦 三曼哆 毘曇末泥 莫訶迦哩也 鉢喇底 瑟侘鉢泥 薩婆頞他娑彈泥 蘇鉢喇底晡囇 耶娜達摩多 莫訶毘倶比諦 莫訶迷咄嚕 鄔波僧呬羝 莫訶頡唎使 蘇僧近哩呬羝 三
曼多頞他 阿奴波喇泥 莎訶」
世尊。若し人、如是の神呪を誦持し我を請召せん時、我請を聞き已り即ち其所に至り願をして遂ぐるを得しむ。世尊。是の灌頂法句は定成就の句なり。眞實之句なり。無虚誑の句なり。是れ平等行なり。諸衆生において是れ正善根なり。若し呪を受持讀誦せん者あらば應に七日七夜八支戒(八斎戒)を受けよ。晨朝時に先ず齒木を嚼み淨澡漱已り、晡時(申の刻。現在の午後4時ごろ)に及びて一切諸佛に香花供養し自ら其罪を陳じ、當に己身及諸含識のために迴向發願し、所悕求をして速得成就せしむ。一室を淨治し、或は空閑阿蘭若處にありて、瞿摩(牛糞)を壇となし、栴檀香を燒き供養となせ。一勝座を置き、幡蓋莊嚴し諸名花を以て壇内に布列せよ。應當に至心に前の呪を誦持して我至を悕望せよ。我爾時に、即便ち是人を護念觀察し、來りて其室に入り座に就きて坐し、其供養を受けむ。是より以後、當に彼の人をして睡夢中に我を見ることを得しめん。所求事に隨ひて實を以て告知せば、若しは聚落空澤及僧住處に所求者に随ひて皆圓滿せしめ、金銀財寶牛羊穀麥飮食衣服、皆な得て、
隨心に諸快樂を受くべし。既に如是の勝妙果報を得ば、當に上分を以て供養三寶し及び我に施し、法會を廣修し、諸飮食を設け、香花を布列せよ。既に供養已れば所有る供養、之を貨して直を取り復た我に供養せよ。當に終身に此に常住し是人を擁護し闕乏なからしめん。悕求する所に随ひて悉く皆な稱意せん。
亦當た時時に貧乏を給濟せん。慳惜して獨り己身の為にすべからず。常に是經を讀みて供養不絶ならしめよ。當に此福を以て普く一切に施し、迴向菩提し願くは生死を出て速得解脱せしめよ。」
爾時、世尊讃じて言く「善哉。吉祥天女。汝能く如是に此經を流布す。不可思議なり。自他倶に益す。」
金光明最勝王經・大吉祥天女増長財物品第十七(衆生が諸仏の名号・金光明経の名号を唱えて吉祥天を供養すれば財穀を与え諸願成就する)
爾時大吉祥天女。復白佛言。「世尊。北方、薜室
羅末拏天王(へいしらまなてんのう・毘沙門天)城を名て有財となす。城を去ること遠からずして園あり名て曰く妙華福光。中に勝殿あり。七寶所成なり。世尊。
我常に彼に住む。若し復た人有りて五穀日日増多し倉庫
盈溢するを欲求する者あらば、應當に敬信之心を發起して、一室を淨治し、瞿摩(ぐま・牛糞)を塗地し、應に我像を畫き、種種瓔珞もて周匝莊嚴すべし。當に身を洗浴し淨衣服を著し塗に名香を以てし、淨
室内に入り、發心し、我が爲に毎日三時に彼の佛名及び此經の名號を稱し禮敬を申べよ。「南謨琉璃金山寶花光照吉祥功徳海如來。諸香花及び種種甘美
飮食を以て至心奉獻す。亦た香花及諸飮食を以て我像に供養し、復た飮食を持して餘方に散擲し、諸神等に施す。實言して大吉祥天を邀へ請(むかへしょう)じ。所求の願を發す。「若し所言の如く是れ虚しからざれば、我所請のところに於いて空爾ならしむこと勿れ」と。時に吉祥天女、是事を知り已り便ち愍念を生ず。其宅中の財穀をして増長せしめんとす。即ち當に呪をして吾を請召し、先ず佛名及菩薩名字を稱し一心に敬禮せよ。
「南謨一切十方三世諸佛・南謨寶髻佛・ 南謨無垢光明寶幢佛・南謨金幢光佛・南謨百金光藏佛・南謨金蓋寶積佛・ 南謨金花光幢佛・ 南謨大燈光佛・ 南謨大寶幢佛 ・南謨東方不動佛・ 南謨南方寶幢佛・
南謨西方無量壽佛・南謨北方天鼓音王佛・ 南謨妙幢菩薩 ・南謨金光菩薩・ 南謨金藏菩薩・ 南謨常啼菩薩・ 南謨法上菩薩・ 南謨善安菩薩」
如是に佛菩薩を敬禮し已り、次に當に誦呪して我が大吉祥天女を請召せよ。此呪力によりて所求之事皆成就することを得る。
即説呪曰
「南謨室唎莫訶天女 怛姪他 鉢唎哺拏折囇 三曼多 達喇設泥 莫訶毘訶囉掲諦 三曼哆 毘曇末泥 莫訶迦哩也 鉢喇底 瑟侘鉢泥 薩婆頞他娑彈泥 蘇鉢喇底晡囇 耶娜達摩多 莫訶毘倶比諦 莫訶迷咄嚕 鄔波僧呬羝 莫訶頡唎使 蘇僧近哩呬羝 三
曼多頞他 阿奴波喇泥 莎訶」
世尊。若し人、如是の神呪を誦持し我を請召せん時、我請を聞き已り即ち其所に至り願をして遂ぐるを得しむ。世尊。是の灌頂法句は定成就の句なり。眞實之句なり。無虚誑の句なり。是れ平等行なり。諸衆生において是れ正善根なり。若し呪を受持讀誦せん者あらば應に七日七夜八支戒(八斎戒)を受けよ。晨朝時に先ず齒木を嚼み淨澡漱已り、晡時(申の刻。現在の午後4時ごろ)に及びて一切諸佛に香花供養し自ら其罪を陳じ、當に己身及諸含識のために迴向發願し、所悕求をして速得成就せしむ。一室を淨治し、或は空閑阿蘭若處にありて、瞿摩(牛糞)を壇となし、栴檀香を燒き供養となせ。一勝座を置き、幡蓋莊嚴し諸名花を以て壇内に布列せよ。應當に至心に前の呪を誦持して我至を悕望せよ。我爾時に、即便ち是人を護念觀察し、來りて其室に入り座に就きて坐し、其供養を受けむ。是より以後、當に彼の人をして睡夢中に我を見ることを得しめん。所求事に隨ひて實を以て告知せば、若しは聚落空澤及僧住處に所求者に随ひて皆圓滿せしめ、金銀財寶牛羊穀麥飮食衣服、皆な得て、
隨心に諸快樂を受くべし。既に如是の勝妙果報を得ば、當に上分を以て供養三寶し及び我に施し、法會を廣修し、諸飮食を設け、香花を布列せよ。既に供養已れば所有る供養、之を貨して直を取り復た我に供養せよ。當に終身に此に常住し是人を擁護し闕乏なからしめん。悕求する所に随ひて悉く皆な稱意せん。
亦當た時時に貧乏を給濟せん。慳惜して獨り己身の為にすべからず。常に是經を讀みて供養不絶ならしめよ。當に此福を以て普く一切に施し、迴向菩提し願くは生死を出て速得解脱せしめよ。」
爾時、世尊讃じて言く「善哉。吉祥天女。汝能く如是に此經を流布す。不可思議なり。自他倶に益す。」