福聚講

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三島由紀夫の檄文及び「三島由紀夫と密教」について

2024-11-25 | 法話


三島由紀夫の檄文

われわれは戰後の日本が、經濟的繁榮にうつつを拔かし、國の大本を忘れ、國民精神を失ひ、本を正さずして末に走り、その場しのぎと僞善に陷り、自ら魂の空白狀態へ落ち込んでゆくのを見た。政治は矛盾の糊塗、自己の保身、權力慾、僞善にのみ捧げられ、國家百年の大計は外國に委ね、敗戰の汚辱は拂拭されずにただごまかされ、日本人自ら日本の歴史と傳統を瀆してゆくのを、齒嚙みをしながら見てゐなければならなかつた。・・・アメリカは眞の日本の自主的軍隊が日本の國土を守ることを喜ばないのは自明である。・・・今こそわれわれは生命尊重以上の價値の所在を諸君の目に見せてやる。それは自由でも民主々義でもない。日本だ。われわれの愛する歴史と傳統の國、日本だ。


この檄文をよんでいると
「三島由紀夫と密教」という論文がありました。まさにいままで私が求めていたことが書かれていました。結論的なことを言えば、「三島は「スカラベ(甲虫)」であった。兜をかぶって自分の(現実感覚を持てない言語優先の)弱点を覆い隠すために様々な行動をした。逆説的にいえば三島が守りたかった日本、日本人とは三島と対極にある(現実肯定の)密教そのものにあるのではなかろうか。」というものです。(筆者の言いたかったことはさらにその先の「密教的世界文化防衛論」ではあるようです。これも全面的に賛同させられます。)

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