「どんなところにも必ず生かされていく道がある。」 とは両手両足を失っても強く生きた中村久子の言葉です。
中村久子の略歴です。
明治30年、岐阜県現高山市生まれ。
3歳の時に特発性脱疽となり、左手右手は手首、左足は膝と踵の中間、右足は踵から下を失う。
7歳で父と死別。10歳の時に弟と生別。継父から虐待を受けた後、見世物小屋に売り飛ばされ舞台にでる。
後に結婚し、子供たちを養うため38歳まで興行。
昭和12年41歳の時、東京日比谷公会堂でヘレン・ケラーと出会い、ケラーは久子を、「私より不幸な人、私より偉大な人」と抱きしめた。
42歳で「歎異抄」を知り信仰を深める。
50歳頃より、執筆活動・講演活動・各施設慰問活動を始める。「『無手無足』は仏より賜った身体、生かされている喜びと尊さを感じる」と感謝の言葉を述べ、「人間は肉体のみで生きるのではなく、心で生きるのだ」と語った。
65歳で、厚生大臣賞を受賞。
昭和43年、3月19日、脳溢血により高山市天満町の自宅において逝去、享年72。遺言により遺体は献体。
中村久子の言葉
「人の命とはつくづく不思議なもの。確かなことは自分で生きているのではない。生かされているのだと言うことです。どんなところにも必ず生かされていく道がある。すなわち人生に絶望なし。いかなる人生にも決して絶望はないのだ。」
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