福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

ホステスは不美人を選べ

2020-02-13 | 法話
「傾城を人のあまた寄り合ひてとめん時、みめもわろく、衣装もなきをとむべし。よきをば人の心をかくる也。をろきは人も荒め、又わが心もとどまらぬ也。一夜の事はいかほどかあるべき。傾城もうれしみ多かるべし。(遊女を相手にするときは、見目悪く衣装も粗末なものを選べ。見目好き傾城には他人も心を奪われ競争になり恨みを買うこととなる。見目悪きものを相手にすれば相手も喜びこちらもあとに迷いを生じない。)」「極楽寺殿御消息・北条重時」(北条重時は泰時の弟、連署となり執権・時頼を補佐する。極楽寺を創建し忍性を迎え開基とする。自身も出家し「観覚」と号す。仏教への篤い信仰を基として儒教精神や武士の質実剛健さ等を説いたその思想は、江戸時代まで広く国民各層の意識に影響を与えたとされる。)

「貞観政要」に後宮の婦人が不憫であり又、奢侈は人民の財力を損なうということで太宗は後宮三千人を解放する話があります(注1)。徳川八代将軍吉宗も享保の改革で此れを見習って大奥を整理しますがこの時、美人から先に整理し不美人は残したということです。なぜなら美人は嫁ぎ先がすぐに見つかるからといった、という話をどこかで見ました。
(注1)「貞観政要 論仁惻第二十」「貞観の初、太宗、侍臣に謂ひて曰く、婦人、深宮に幽閉さるるは、情、実に愍む可し。隋氏の末年、求採すること已む無く、離宮別館の幸御するに非ざるの所に至るまで、多く宮人を聚む。此れ皆、人の財力を竭くす。朕が取らざる所なり。且つ灑掃の余、更に何の用ふる所あらん。今将に之を出して伉儷を求むるに任せんとす。独り以て費を省くのみに非ず、兼ねて以て人を息す。亦、各々其の性を遂ぐるを得ん、と。是に於て、後宮及び掖庭、前後、出す所、三千余人なり」

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 十善戒和讃略解(慈雲尊者・... | トップ | 疫病平癒のお経 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

法話」カテゴリの最新記事