五重塔、三重塔、宝篋印塔など多くの種類の塔が建てられていますが、
密教では塔は我々衆生の身心だといいます。
「了因決」に「塔ハ本也 經ハ迹也。塔ハ法身ノ自體也。經ハ此塔ノ相用ノ徳ヲ未來ノ衆生ノ爲ニ説キ給也・・塔ト者衆生ノ色心實相也」(塔は本、教はあとなり。塔は法身そのものであり、お経はこの塔の徳を未来の衆生に伝えるためのものである。・・塔は衆生の本来の身心である。)とありました。このもとは「大日経疏」にあります。大日経疏第六に「いわく、心をもって仏塔となす」とあります。つまり塔は大日如来(三重塔は金大日、五重塔は胎大日)であるとともに我々の神秘な神秘な本来の姿(あえていえば五重塔は身、三重塔は心)なのです。だからこそ寺々ではこぞって塔を建て我々に我々自身の深秘を親切に教示して下さっているのです。したがってお墓を五輪塔にするのはもっともありがたいとされるのです。