「お大師様の信仰とは、生きていても死んでも大師の霊と一体とならせていただき大師の無限の衆生済度の活動の一端を担わせていただくこと(趣旨)」である、という論文に出合いました。神代峻通・高野山大学教授の「御入定と大師信仰」(密教研究1936・59)から趣旨を抜き出しておきます。
「・・大宗教家の真面目は霊に生くることであります。奇跡を行ふこと、神通力をあらはすことであります。・・・これは神仏において出来ることであり、いうなれば神仏の神仏たるゆえんであります。宗教家も本当の宗教家はこうした活動ができるものであります。
その証拠は耶蘇であり、御大師様であります。それ以下の宗教家でありましてもいろいろの意味において奇蹟を行なふてゐるのであります。(密教修法はまさにそのために古来から謹修されてきてその都度霊験を現しています・多くの歴史書の記述する所です)・・そしてその奇蹟の元は霊にあるのであります。その力に触れたものは皆その霊験を見、また自ら同じ働きをあらわすことが出来るのであります(各流派のできるのもこのためです)。ですから大師信仰の中心は御入定の大師、即ち大師の御定身にあるのであります。実際昔から信じたものはその功徳を受けたのであります。それは有相の功徳であります。しかしそれと共に無相の功徳があります。それは大師の御定身すなわちその御霊を己の霊とすることであります。自ら無限の力の主となり無限の働きをすることであります。そしてこの無限の功徳こそ根本的のものでありまして、これがあれば有相の功徳はそれの中から生み出されるのであります。・・功徳を貰ふばかりではない、むしろ功徳を与へること、大師の霊と一体となって無限の活動をすることであります・・・。(実際62歳で求聞持を「衆生無辺誓願度」と書いて部屋に貼りだして行じただけでも大変有難く順調にできました。)」
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