福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今日は宮中で佛名會が行われた日

2021-12-19 | 法話

公事根源「御佛名 (十二月)十九日。けふより二十一日まで三箇日なり。或は一夜もあり。仁壽殿の御本尊を移して御帳の中にかけて西の額の間に南北に机をたてて佛像塔形を置く。佛前に香華などを供ふ。前に地獄変の御屏風を立つ。出居のすけ(注1)、最勝講の如し。出居の前に火櫃に折松せさす。女嬬(めのわらわ)これを勤む。公卿廂に着す。初夜・中夜・後夜、おのおの御導師かはる。さし油蔵人これを勤む。かつ゛け綿御(仏名の時、導師や衆僧に賜わる綿)の事あり。衣筥の蓋に綿を入れて簀の子の北に内侍の簾下といひてみすを掛けて出す。蔵人御導師の方にかつ゛くるなり。事はてて名謁あり。所の衆、滝口まで皆名のる。柏梨の勧盃などいふことあり。それは左近衛府の領に摂津國柏梨の庄といふ所より御酒を奉りて殿上にて勧盃あるなり。又佛名の中の夜など、大将のとのゐ申あり。弓場にて丑一つのほど右大将尋ね行ふ。ゆつ゛る打ち鳴らす程など誠に所得たるがほなり。佛名の御導師は昔はよもすがら唱へければ延喜の御代などは夜御殿にて和琴をかきあはせ給ひけるとかや。此の佛名といふことは三世諸仏の名號を唱て、六根の罪を滅する心なり。誠に佛名経に説かるる所の功徳は量りなきにや(注2)。宝亀五年十二月より始まる。承和の比は毎年佛名三箇日の間は諸国にて殺生禁断のよし格に見えたり。(注3)」

 

(注1)出居のすけ、宮中の儀式で、出居の座について事を行なう近衛少将

 

(注2)佛名経に「我爲汝説。過去未來現在諸佛名字。若善男子善女人。受持讀誦諸佛名者。是人現世安隱遠離諸難。及消滅諸罪。未來當得阿耨多羅三藐三菩提。」

(注3)「年中行事秘抄」に「・・佛名殺生禁ずべき事。 承和十三年十月二十七日、格に云、諸国毎年十二月十五日より十七日まで三箇日夜、之を修す。齋會の間殺生禁断、・・承和初勑あり之を修す・・官曹事類に云、宝亀五年十二月僧十口沙弥七口を請じて宮中にて方広懺悔を設く。方広懺悔は此れより始まる。弘仁十四年大僧都長恵、小僧都勤操、大法師空海等三口を請じて清涼殿に於いて大通方広の法を行ず・・」

 

 

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